全日遊連 総会後初めての理事会を開催

全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は7月20日、第一ホテル東京(都内港区)において総会後最初となる7月定例全国理事会を開催(理事52名中50名出席)。記者会見には、阿部理事長以下、再任となった6副理事長、太田裕之専務が出席した。

理事会冒頭の理事長挨拶において、「ここに来て第7波に入ったと伝えられております。皆様の日々の生活での感染防止はもちろんの事ですが、日々の営業に従事し、お客様をお迎えしている全国の組合員ホールに対し、『パチンコ・パチスロ店営業における新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン』による万全な感染防止対策の徹底について、再度ご指導いだけますようお願い申し上げます」と要請。続けて、「これからの2年間、皆様のご意見を頂戴しながら、遊技業界を取り巻く厳しい現状を乗り越えるべく、執行部一同決意を新たにしているところであります。業界の健全な発展のため、各種取組を積極的に推進してまいりたいと思っておりますので、更なるご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます」と所信を述べ慎重審議を呼びかけた。

記者会見は、諸課題が山積する中、質疑を通して各執行部の問題意識がにじみ出た。

■パチンコ・パチスロ依存問題への対応について/委員の一人として阿部理事長が参加する「ギャンブル等依存症対策推進関係者会議」は6月16日(第10回)に開催され、大きな動きがあった事を報告した。会議の中、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの松下幸生院長は「依存症治療の進展」についての報告の中「ギャンブル依存」という表現をした。これは今年2月にWHOが作成する国際的に統一した基準で定める国際疾病分類の診断要件の変更「ICD-11」があった事から。この事は、これまで「依存症」疑いは「疾病・障がい」疑いではないと解釈される。パチンコ業界にとってエビデンス的に進展があったところ。それを踏まえワンデーポート編『誤解だらけのギャンブル依存症』の著作物、篠原菊紀氏(公立諏訪東京理科大医療介護健康工学部門長)の直近の依存研究についての発表資料(余暇進部会・7月12日)を添え、「パチンコ依存症は病気という」間違った認識を科学的に払拭してきているとした。

■スマート遊技機フォーラム(7月19日開催)について/阿部理事長もフォーラムに登壇したが、5月開催した説明会を肉付けした内容と説明。またスマート遊技機のユニットの数量が限られている情勢で、公平な供給を要望(ホール4団体)している。これは遊技機メーカーの領分ではなく、ユニットについてはユニット提供各社に個々問い合わせる事が肝要となっている。

■時代に適した広告宣伝等に関するワーキングチーム(WT)の活動について/ホール4団体のWTは、5月30日、6月17日、7月4日と開催。全日遊連のWTは、6月22日、7月15日の2回開催。現状の議論として、①遊技機性能②ホール設置後③営業時間④国民的行事・地域の祭事・創業月や周年⑤駐車場での祭事・地域貢献活動の開催に関する報告⑥新台入替⑦ホール設置前の遊技機、以上7項目に関して行政に向け意見交換を行っている状況。

■遊技機関連検討会について/2021年5月からスタートした遊技機の大型化に関する検討会は、厚労省のホール内での騒音レベルの問い合わせを受け、現在は呼び名を変更して、その対応について協議している。大型化においては、震災などによる倒壊の危険性からの問題視はメーカーに要望している。

■貯玉・再プレーシステムの在り方検討会について/貯玉総額の引き下げ施策、それに併せてシステム使用料がホールにとって負担になっている事を協議。センター事業社6社に善後策を投げかけているところ。貯玉・再プレーシステムの原点に立ち返り検討を続けている。

【理事会議案・報告事項】
<決議事項>
○暴力団対策特別委員会の構成について(承認)
<報告事項>
①パチンコ・パチスロ依存問題への対応について
②時代に適した広告宣伝等に関するワーキングチームの活動について
③推進機構の定例理事会及び定時社員総会の開催結果について
④遊技機流通制度連絡会の開催結果について
⑤中古機流通協議会について
⑥遊技機関連検討会の開催結果について
⑦機会対策委員会からの報告について
⑧ホール4団体貯玉・再プレーシステムの在り方検討会の開催結果について
⑨貯玉補償基金の総会及び理事会の開催結果について
⑩遊技機リサイクル推進委員会の開催結果について

全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)