日遊協 設立30年・社会から共感される産業づくり誓う

一般社団法人 日本遊技関連事業協会(庄司孝輝会長)は2月12日、グランドアーク半蔵門において日遊協設立30周年記念式典を開催し、関係者約350名が出席した。日遊協は平成元年6月に設立し、同年7月に内閣総理大臣の許可を受けて発足した、パチンコ・パチスロ産業で唯一の公益法人。平成26年4月に公益法人法の制度改正に伴い一般社団法人に移行。ホール・遊技機メーカー・販売商社・周辺機器メーカー・景品卸・その他の関連企業が参加する唯一の業界横断組織として、「健全化」「近代化」「適正化」のもと30年の佳節を迎えた。

庄司会長は、「お客様のためを第一のキーワードとして、社会からより共感される新時代に相応したパチンコ・パチスロ産業を目指していきます」と主催者挨拶した。監督官庁を代表した白川靖浩生活安全局長(警察庁)は、「今後も射幸性を適度に抑え、手軽に安心して遊べる健全な娯楽として国民に広く受け入れられるよう業界の先頭に立ってなお一層ご尽力されることを心より期待しています」と祝辞。全日遊連の阿部恭久理事長は21世紀会の一員として依存対策の取り組みを例に一丸となって取り組んでいる事を挙げ、「業界の一本化に向けたとりまとめについて期待している」と連携強化を祝辞とした。

第二部では、無印良品の経営危機を見事にV字回復させた経営者・松井忠三氏((株)良品計画前会長)を講師に招き「38億円の赤字からV字回復!無印良品は、仕組みが9割」と題して記念講演。「逆境こそが宝物」とドン底で必死に止血方法を考え続けた事が、結果として「負けた構造」から「勝つ構造」に転換させる仕組みづくりにつながったとした。「『型』があるから『型破り』ができるのであって『型』がなければ『型なし』です」と歌舞伎の言葉をあげ、業界の30年を踏まえ、新たな「健全化」「近代化」「適正化」の飛翔に期待した。

その後、日遊協新経営者会議からのメッセージに続いて「遊技文化考-産業の本質から未来へのアプローチ-」と題してパネルディスカッション。濱口理佳氏(ワールド・ワイズ・ジャパン)の進行で、宗教人類学者の植島啓司氏を迎えて、韓裕社長(マルハン)、榎本善紀社長(京楽産業.)が遊技の未来を志向した。

第三部の祝賀パーティでは、山田好孝保安課長(警察庁)をはじめとして、平沢勝栄衆議院議員、葉梨康弘衆議院議員、筒井公久理事長(日工組)が来賓あいさつ。山田課長は、「この30年間古くからの問題もあれば、新たに依存症の問題もあり、様々な課題がありましたが、積極的に取り組まれ着実に成果をあげてこられた」と日遊協の30周年を祝した。射幸性の抑制、不正対策、依存対応、遊技機取扱業務の適正化、環境対策などの活動を評価。「今後も業界の横断的組織という特色を生かして十分にリーダーシップを発揮し、業界の健全化に向けた取組を更に強力に進められる事を期待する」と述べた。設立当時の保安課長だった平沢議員は、「業界は今、大きな壁にぶつかっています。社会が激変している時代です。生き残るためには変わらなければいけません。変わる部分、変わらない部分があります。皆様方がどういう方向に行くのか、しっかり考えていただき、その先頭に立っていただきたい。日遊協の設立の精神を忘れず発展を祈念します」と祝した。

小林友也副理事長(日電協)の音頭により乾杯を行い、懇親を深めた