三洋グループ 水辺の事故ゼロを目指し切磋琢磨

三洋グループ(本社/名古屋市千種区)は6月23日、24日の両日、福岡市早良区のシーサイドももち海浜公園において、三洋物産 インターナショナル ライフセービングカップ2018を開催(三洋カップ)。日本唯一のライフセービング競技の国際試合となる本大会は、同社のスポンサードを機に開かれるようになり、今年で11回目を迎える。

ライフセービング競技は海辺での事故を想定し、救助の技術を磨いているライフセーバーたちが必要とする救助技術を競技化したスポーツだ。足元の悪い砂場や大きな波、強い潮の流れなど、救助の際に起こりうる状況を想定したものがベースとなっている。今年は7か国・地域から8チームが参加。ライフセービング大国オーストラリア、ニュージーランドをはじめ、アメリカ、イギリス、南アフリカなどの強豪国、そしてアジアの各国地域が参加し、ハイレベルな戦いを繰り広げた。

三洋カップ開催以降、2年に一度開催される世界選手権大会における日本代表の成績は確実に向上しており、2016年は総合8位入賞を成し遂げた。本大会においても総合3位に入賞(日本代表Aチーム)し、各種目にスポットを当てると、後半戦ではビーチリレーで男女共に1位、ビーチフラッグス男子も1位という好成績を残した。総合優勝はオーストラリア。2日目に入って、20ポイント差でニュージーランドに詰め寄られるシーンもあったが、最大のクライマックスであったオーシャンマン/オーシャンウーマンリレーにて、ニュージーランドとの激闘を制し、優勝を決定的にすると共に大会11連覇を達成した。

ライフセービング競技の意義は水辺の事故防止を本旨としているが、まだまだ普及の途次にある。九州地区では2015年の宮崎県での大会を皮切りに、昨年より会場を福岡に移して今年で4年目となる。大会をきっかけに競技への認知が広がり、例えば今回、会場となったシーサイドももち海浜公園においては、大会前まではいなかったライフセーバーが現在では配置されるようになるなど、意識の高まりを見せている。

第1回開催から担当役員として大会を見守り続けてきた三洋グループの盧昇専務は、継続的に開催してきたことで、日本代表選手たちのレベルが確実に向上してきたと語る。昨年大会では総合2位、本大会では3位入賞を果すなど、上位常連国として注目を集めるようになってきた。オーストラリアは以前まで、世界大会の経験を積ませるべく若手選手中心の構成で出場してきたが、今年はベテラン勢も大勢参加し、連覇記録をかけて勝負を挑んできた。「各国、または選手同士がお互いに高め合う場として三洋カップへの注目は世界的にも高まっています。海を愛する会社として、純粋な心で命を守る活動を日々行うライフセーバーたちのスキルアップに貢献できる事は非常に意義深いと感じています」と盧専務。今年はアジア各国のライフセービング競技関係者が、自国での世界大会開催の為のノウハウを学ぶべく会場を訪れていたという。この様な形で活動の輪が世界に広がり、水辺の事故ゼロを実現できればと語った。

尚、会場にはアームでお菓子をすくうゲーム機“お菓子キャッチャー”が楽しめるSANYOブースを設置。ライフセービングについての簡単なクイズに答えれば誰でも参加が可能で、子ども達から人気を博していた。大会当日には地元のライフセービング競技のスポーツ少年団を、翌日には近隣の小学校から生徒を招いたライフセービング教室を開催。様々な角度から競技の認知普及に努めた。