MIRAI 設立最初の経営勉強会を開催し、令和維新を提言

一般社団法人MIRAIぱちんこ産業連盟(東野昌一代表理事・加藤英則代表理事)は11月17日、TKP市谷カンファレンスセンターにおいて、設立最初の第1回MIRAI経営勉強会を開催。オンラインも併用された中、会場は約100名余の参加があった。

当日は岸博幸氏(慶応義塾大学メディアデザイン研究科教授)が基調講演を行った。岸氏は、「産業における環境の変化への対応とパチンコの未来」と題して、発足最初のMIRAI勉強会の皮切り講演する事に感謝し、新団体に新たな指針(テーマ)を贈った。その後、藤田宏氏(エンビズ総研)の進行役のもと、東野昌一代表理事(平成観光)、加藤英則代表理事(夢コーポレーション)、金光淳用副代表(ヒカリステム)、保坂明副代表(ダイナム)、大石明徳副代表(ニラク)、吉原純浩理事(ミナミ・エンタープライズ)によるパネルディスカッション『持続可能な産業となるために〜業界が目指す未来〜』に意見を集めた。

【要旨】MIRAIは、2つのミッション「業界団体」、「企業連携」を使命として掲げる。そして5つのビジョンを掲げ、7つの価値観をもって10月19日に発足。その最初の勉強会という事で、執行部の6代表を通じて、令和のMIRAI維新について発信した。6氏からは、課題として「抜本的な営業の見直しの時」(吉原氏)、「①環境対応②法解釈③機械」(大石氏)、「ホール、メーカー、お客様の選択肢の狭さを広げる」(保坂氏)、「新たな価値観(射幸性)へのチャレンジ」(金光氏)、「今後はファンは増えない。だからかそコスト削減。IT化の取組み」(加藤氏)、「今、お客様は喜んでいない。営業を進化させる時」(東野氏)と問題意識を出した。

それを踏まえて①「10年後のベストケース」では、約半数以上が新たな業法の制定という想定を掲げて、そのための政策提言、パチンコの価値創造、店舗と遊技機の多様性を唱えた。政治と行政へのアプローチ、社会とのつながり(認知)、業界団体の収れんなど、そのためには膨大なエネルギーを必要とするとした。

業界が一つになるため、②「社会とのつながり」が不可欠であり、地域(地元)とのつながり抜きにはできない。そのため、福祉、魅力ある街づくりなど努めている地域企業は数多い。依存対策についても重要な社会とのつながり施策」(大石氏)。「自治体との災害協定の締結、クリーンキャンペーンの活動など、実に芽になる地道な活動も不可欠」(保坂氏)、「全国青年部会の換気検証映像は、多くのメディアが発信した。しかしパチンコの情報が正しく伝わっていない現状が多い。パチンコのユーチューブを作って広げる努力が必要」(吉原氏)など、業界広報の在り方にも今後注力していく事を強調。「コロナによるパチンコバッシングがあったが、よく見ると個々地域(自治体)とのつながりの差が露見した事例だった。台風襲来の際のホール立体駐車場避難提供のニュースなどが好例であり、業界内でも大局観をもって、正しく伝える事ができる人材づくり、環境づくりが必要。金だけ出せばという発想ではつながりはない」(金光氏)と述べ、藤田氏も、メディアの側でもパチンコ業界の情報を取扱いたいのに、未だに情報公開に後ろ向きな体質がある」と指摘した。

③「働き続けたい・働き続けられる会社・業界、プレイヤーの広がり等」について、「遊び方をシンプルにしなければいけない。パチンコとパチスロの投入口の差すら当惑する実情がある。再びインバウンドがやってくるまでには対応」(東野氏)、「クラウドファンディングを立ち上げ、ファン、ホール、メーカーの手で新たな遊技機を作れるようにしたい」(吉原氏)、「キャッシュレス、あるいはメダルレス、管理遊技機など、本来は、お客様の利便性を第一にしなければいけない」(大石氏)、「業界の都合ではなくお客様のメリットを優先」(金光氏)とMIRAIとしての施策と実行について焦点を絞っていった。

④「求められる業界団体としての役割」について、「企業努力は必要です。しかし、これまでのような先送りは止め、未来に向けて示せる活動にして、企業努力を後押しできる組織活動につなげたい」(大石氏)、「業界が一つにならなければ、政治も行政も動いてはくれません。その為に、団体をどんどんまとめていく取組みにつなげていきたい」(東野氏)と、今後の活動を見据えた。

色々な意見が出せる場としてMIRAI参加を呼びかけ、「一つひとつ、小さくても実行に移し実績を積み上げていきたい」(金光氏)、「対症療法から、先手の提言にチェンジする時」(加藤氏)、「世代交代、そして未来に恥じない活動の原動力は、会員の力が源泉。何か一つでも自社に持ち帰ろうという皆さんの積極的な参加をお願いします」(東野氏)など、勉強会を終えた(要旨)。

なお次回勉強会は令和3年2月を予定している。