一般社団法人 日本遊技関連事業協会(西村拓郎会長)の九州支部(新冨雅哉支部長)は10月23日、グランドハイアット福岡(福岡市博多区)において講演会を開催。九州支部は、平成2(1990)年11月に設立してから35年の活動を継承しており、健全化への取組みを再喚起した。講演会に先立っては、西村会長、新冨支部長と九州の7遊協理事長、九遊連青年部会長により、「九州はひとつ」のムードの中で「意見交換会」を開催した。
冒頭あいさつで新冨支部長は、第27回参議院選挙において、全日本遊技産業政治連盟が支援した阿部恭久候補(自由民主党比例区)の落選について、「私たちは、パチンコ産業の未来を憂いているからこそ、皆の力を結集しようという思いとなったと思います。残念な結果だったが、これから3年後どうするか等、様々なご意見があると思います。はっきりしているのは、選択肢にあきらめるという考えはない。パチンコ産業でともに集い、未来を作っていくという九州支部は、最善を尽くしたい」と述べた。また、例年は「支部総会」として開催していたが、任期満了などの節目となる懸案がないところから「講演会」を通じて、日遊協の取組みを再確認する機会と説明。今回、講師に水谷晃大氏((株)AI impulse(インパルス)・代表取締役)を招いて、AI技術が様々な分野で活用されている中、AIとパチンコ産業との関係を知る上での、AI技術最前線を理解したいと講演会開催意義を述べた。
西村拓郎会長からは、出張理事会を6年振りに福岡開催できたと説明。「AI技術とパチンコ産業との関係では、まだピンとこない現状かもしれません。電子マネー、電子景品などはなく、すべてリアルに現金で玉貸しして、遊技の結果は景品交換所で選ぶという状況。デジタル化には、法整備ですとかルールの改訂など様々に対応しなくてはなりません。行政とのパイプを大切にして健全化に活動している業界唯一の横断的組織として、新たな提案をして業界を切りひらいていく役割をしていると自覚している」と日遊協活動への理解を呼びかけた。
来賓において、九州管区警察局総務監察・広域調整部広域調整第一課の田坂健治課長、公益財団法人福岡県防犯協会連合会の加藤雅秋専務理事が出席した。来賓を代表して、田坂課長は、日遊協は業界唯一の横断的組織として、各種健全化に取組んでいることを評価。九州地区の犯罪認知情勢について説明し、業界に向けて地域の安心安全につながる各種健全化の取組みついて、引き続き取組んで欲しいと期待した。業界来賓を代表して、松尾道彦会長(九州遊連)が祝辞を行い、日遊協の活動について評価。各種ガイドラインの取組みが着実に業界の健全化につながっていくため、行政の信頼関係のもと、着実に業界の健全化につなげていくため、より一層「九州はひとつ」の合言葉のもとで、協力を呼びかけた。その後、日遊協の事業報告について、御手洗伸太郎専務から理事会報告含めて、現状の諸対応について説明した。
その後、「pp奨学金のPR動画上映」があり、一般社団法人パチンコ・パチスロ奨学金(吹浦忠正代表理事)が運営する、返済を求めない給付型昇格金制度について理解を促した。2017年度から2024年度までにのべ255名の学生に総額1億1654万円の給付を行い、2025年度は27名に対して奨学金を給付している。日遊協理事でもある吹浦代表からは、「本日も受給者の学生からお礼の手紙が届きました。現在、2026年度の募集をしています」と述べて、苦学している学生への支援について理解と協力を呼びかけた。
特別講演では、「AIの今後の展望~これから何が変わるのか」と題して、水谷晃大氏((株)AIインパルス・代表取締役)から、AIの発生の歴史や活用について説明した。AIとは「人工知能」の略で、人間の知的な活動をコンピュータで再現する技術。1950年代から人工知能が発想され、以来、その進化は目まぐるしい。インターネットにより多くの情報を集めることができるようになったAI技術は、各種の産業で活用が進められている。パチンコ産業においてもAI化が取組まれており、AIインパルスが開発している生成AIと3Dモデルを活用したキャラクター動画制作生成を組み合わせ、AIを活用した採用支援の実演などを紹介。ゲンダイエージェンシー(株)と共同開発した広告・宣伝支援のAIによる作成については、大島克俊代表取締役社長CEOが現状を報告。広告・宣伝ガイドラインをAIに覚えこますことで、自動に広告物を作成したり、ガイドラインに抵触しているモノについて、抵触箇所を抽出し、自動評価できる段階にあると紹介した。
その後の懇親会では、新冨支部長が「九州はひとつ」の合言葉のもと、今後も九州支部の精力的な活動に協力を呼びかけて開宴。福山裕治顧問の乾杯の音頭により懇親を深めた。中締めは岩下洋三氏(九州支部役員)が行い、日遊協は横断的組織の役割を発揮して、ファン、ホール関連企業、そしてホールが共に満足(発展)できる業界づくりを呼びかけた。

