行政講話 業界がまとまり、健全営業とESGに配慮した取組に期待

全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は6月24日、ホテルニューオータニにおいて通常総会を開催。総会冒頭に小堀龍一郎保安課長(警察庁)が来場し、約5分間、行政講話を行った。

小堀課長は、①コロナウイルス感染症拡大防止への対策の継続②業界が一つにまとまり旧規則機の撤去を完遂した事への評価と撤去遊技機の適正処理の要請③のめり込み・依存問題の基本計画に沿った着実な実施④新規則機の活用⑤健全営業とともにESGへの取組、を掲げて業界の健全化に期待した。

【講話(要旨)】
新型コロナウイルス感染症が拡大して2年が経過しました。これまでの間、業界では医療関係者の監修を得て、感染拡大予防のためのガイドラインを策定し、各店舗において各種の対策を講じられました。皆さまのご尽力に敬意を表したいと思います。その努力の甲斐もあり、ぱちんこ店の客室でクラスターが発生したという報告は受けておりません。引き続きの感染防止対策をよろしくお願いします。

さて、旧規則機の撤去にかかる経過措置期間が全ての遊技機について満了しました。コロナ禍の厳しい状況にありながら、大きな問題もなく、順調に入替が行われたと聞いています。これもパチンコパチスロ産業21世紀会の決議のもと、ぱちんこ営業者、遊技機メーカー、遊技機販売会社等が協力団結して計画的な撤去のための取組を進めてきたからだと感じています。その過程では業界内で、色々な意見があったと聞いていますが、貴連合会の執行部の方々をはじめ多くの関係者が努力し、最終的には業界がまとまり、やり遂げました。これまでの皆さまの真摯な取組に敬意を表したいと思います。

一方、撤去された遊技機については、相当数が倉庫等に保管されていると聞いています。過去におきた野積み等の問題が発生しないよう最後まで適正な廃棄処理をお願いします。

ぱちんこへののめり込み・依存問題については、本年3月に、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の変更が閣議決定されました。これまで業界においては、ぱちんこ依存防止にかかる自主規定の制定をはじめ、基本計画に盛り込まれた各種取組を着実に推進され、所期の目標を達成したと評価しています。本来の基本計画では新たに地域連携の強化が盛り込まれています。また自己申告プログラムと同様、家族申告プログラムの導入等も一層望まれているところです。引き続き基本計画に掲げられた取組の着実な実施をお願いします。

新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、様々な形で社会経済の変化が起きています。その影響は業界を取り巻く環境にも及んでいます。他方ぱちんこは、これまで多くの時代の荒波を受けながらも、長い間親しまれています。時代の変遷にあわせて、その時々の身近で手軽な大衆娯楽の形を追及してこられました。皆さまに置かれましては、新規則機を活用し、気軽な雰囲気を活用し、新規の人がホッと安心して遊べ、一時の憩いと潤いを得られるような新たな遊技環境を作り出していただくことを期待しています。

さらにぱちんこをしない人を含め、地域の多くの方々から愛され業界の社会的評価を向上させるためにも、業界がまとまり、健全営業とともにESG、「環境」、「社会」、「ガバナンス」に配慮した取組についても引き続き一層進められる事を期待しています。私どもとしましても、引き続き業界等の健全化等をはかる事項、一つひとつについて、皆さまの話にも真摯に耳を傾け、考えていきたいと考えています。

最後になりましたが、貴連合会の益々の発展、ご列席の皆さま方のご健勝、ご多幸を心より祈念申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。