コロナ関連 埼玉県フライングのパチンコ123店を公表

埼玉県の大野元裕知事は5月19日、記者会見を行い、休業要請を守らないパチンコ店123店を公表した。

県内にパチンコ店は466店舗。ゴールデンウィーク中に一度全店舗が休業した。しかし5月7日から「営業を再開している」との通報が寄せられ、県が実地調査したところ153店舗が営業していた。埼玉県遊技業協同組合に営業自粛の協力をお願いする文書を発出した。5月14日には休業要請をすると事前通知したところ、145店に減った。その後、さらに個別に休業要請のお願いをしたが、123店舗が5月19日現在で営業している事が確認された。手続きに則り、事前に通告・通知を行った他、政府にも事前協議、専門家の意見も是とするアドバイスであり、休業要請するとともにパチンコ店名を公表、特措法45条2項の適用は初めてと説明した。

席上、埼玉県の緊急事態宣言の解除後を見据えた出口戦略として「彩の国『新しい生活様式』安心宣言」というガイドラインづくりを目指している事も説明。各業界団体に感染防止策の策定を依頼し、順守を約束した事業者に「安全」のお墨付きを与えるという構想とした。

●休業要請と補償についてはセットを強調していた大野知事であり、今回、パチンコ店に対する手当てについてどう考えているのかの質問では、「国は補償する必要がないという立場だが、国はこの業種は危険だといっているのですから、私は補償すべきと主張している。しかし、このままでは小さなパチンコ屋さんは潰れてしまうだろうと、容易に想像はできます。そのため、今できる事は制度融資の対象にパチンコ店を加えて欲しいと主張してきた。埼玉県としては、休業に伴って資金的な支援のスキームを組んできた。埼玉県としてはできる事はしてきた」と答えた。

●「彩の国『新しい生活様式』安心宣言」を打ち出し、ガイドラインに沿って営業再開をはじめたパチンコ店が多いと思われるが、パチンコ店の感染防止対策をチェックした上での店名公表だったのかの質問では「今は自粛をお願いしている段階。パチンコ店の場合、業界自らガイドラインを出していただき、認証していきましょうという段階では今は無い。現時点では、感染対策がなされている、いないではなく、自粛(休業)する事。今後、パチンコ店はルールを定める際に、お客様にも、働いている方、県民の方々に安全であるという信頼を構築していく事が重要だと思う。今はその意味で自粛を徹底して欲しい」(要旨)と、1都3県共同メッセージとして「緊急事態は継続中」を強調した。

なお、埼玉県新型感染症専門家会議のメンバーを見ると、大野知事、保健医療部等の県側4名、医療有識者(県医師会、防衛医科大、看護協会等)6名の委員で構成されており、経済等の専門家をも交えたメンバー構成とはなっておらず、出口戦略を見据えた体制とはなっていないのが実情だ。