財団大遊協 奨学生親睦交流会開催

公益財団法人 大遊協国際交流・援助・研究協会(高島洋理事長)は12月2日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪において、奨学金援助を行う留学生やOB、大学関係者等を招いた奨学生親睦交流会を開催。9カ国から18大学、36名の奨学生及びOB、関係者を含めると54名が集まり交流を深めた。

冒頭、挨拶に立った村上昭徳専務理事は、財団設立から27年、当初5名の奨学生からスタートした奨学金援助事業は現在までに25ヶ国・地域の延べ386名の奨学生を輩出するまでに至ったと説明。今年は地震や大雨、台風などの自然災害が多発した年であったと振り返り、その様な背景もあり10月の社会見学会では京都市市民防災センターに訪れた事などを報告した。出入国管理法の改正によって新たな在留資格が創設され、来春より旅行者ではなく、働く為に来日する外国人も増える見通しだ。村上専務は、「このような時こそ国際交流に基づいた相互理解が求められます。当財団が支援する奨学生の8割は卒業後、日本で就職しています。グローバル化の波は日増しに進み、皆様の活躍の場は増えてます」と述べ、国の垣根を越えた社会を創造すべく、その架け橋となるよう期待を寄せた。

交流会では産業医である富永なおみ先生による講演や、大阪府警察本部府民安全対策課の生活安全指導班による防犯教室なども行われた。富永先生は「心もからだも ハツラツ!」をテーマに、食事や睡眠の大切さを分かりやすく伝えた。特にからだの健康においては、食事、運動、睡眠をバランス良く行わなければならいとし、その中でも食事はメタボリックシンドロームにならぬよう、【や・さ・し・い=野菜を食べよう・魚を食べよう・塩と砂糖は控えめ・いろんなものをバランス良く】に気をつけて摂取して欲しいと呼びかけた。また、こころの健康に関しては、年間自殺者数が交通事故の死亡者数よりも多い事を指摘。その主な原因であるとストレスについて解説した。早めの休息や完璧を目指さない事、色々な事に興味を持つなどセルフケアが大切だと語った。

生活安全指導班による防犯教室では、寸劇形式で性犯罪、ひったくり、侵入盗の3事案に対する対策などが伝えられた。劇の中で犯人を模したきぐるみのキャラクターが登場し、進行役から例えば性犯罪などを行う場合には、どの様な人物が狙いやすいか?といった質問等を通じて対策を考える内容となった。性犯罪では大声や防犯ブザー、後ろを振り向く事など、ひったくりでは防犯カバーの重要性やひったくられないかばんのかけ方、侵入盗では小さな窓でもしっかり施錠を行う事などを啓蒙。「防犯に気をつけて楽しい年末年始を送って欲しい」と呼びかけた。

卒業生のスピーチでは大阪府立大学大学院を卒業したアイエドウン エマヌエルさんが登壇。「自分の原動力について」をテーマにスピーチを行ったエマヌエルさんは現在、日本学術振興会において優れた若手研究者として認められた特別研究員として活躍している。「私が日本で学んだ大切な言葉に『刻石流水』という四字熟語があります。受けた恩は心に刻み、かけた情けは水に流せという意味です。大遊協財団をはじめ、これまで様々な方の助けを頂き今日に至ります。人にしてもらった事を誰かに返す事を喜びに、これからも励んでいきたい」とエマヌエルさん。現役奨学生に対し、自分の軸をしっかりと持って欲しいとエールを送った。