【続報】IR議連 細田会長「機は熟した」と第一声

12日、超党派・6党186名が名を連ねるIR議連の第21回総会の冒頭、細田会長は「機は熟した」と第一声。「今国会中の上程をおこない、十分な審議を経ていきたい。まだまだ一歩ずつではありますが、スケジュールにつなげていきたい」と述べた。引き続き、岩屋幹事長は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(略称・カジノ推進法)について、最終の説明をおこない、3点の修正を示した。

「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(修正部分)
(1)政府は、特定複合観光施設区域の整備の推進をおこなうものとして、必要な措置を講ずるものとする。法律の施行後「1年」以内を目途として講じなければならない。(第5法制上の措置等)・・・役員会で協議し、当初「2年以内」を「1年以内」と改めた。

(2)「第8項 納付金等」・・・東日本大震災等の復興等の財源にあてることもできる、と明記していたが、ことさらにこの第8項で明記することはないとの判断から削除。

(3)「第9項 特定複合観光施設区域整備推進本部」の中、(3)として「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する重要事項を調査審議するため、有識者で組織する特定複合観光施設区域整備推進会議を本部に置く。・・・当初、有識者の他、国会議員も入るよう明記していたが、推進会議として国会議員が参加するのはどうかということから、有識者のみとした。

岩屋幹事長は、「今年、日本維新の会で上程した案に限りなく近いもととして修正をしたものを超党派の議連案とした。承認いただきたい」と述べ、異議なしの声の中、拍手をもって承認。引き続き、国会においてカジノ推進法が立法化された後について必要な事項として、「特定複合観光施設区域整備法案(仮称)〜IR実施法案〜に関する基本的な考え方(案)」の説明を行った。「あくまでも推進法であり、どういうカジノ構想をIR議連は抱いているのかという国民の疑問に答えていかなければならない」と同氏。疑問、懸念に答えていくために、IR議連の長年の議論の蓄積の中から主な事項をまとめ、説明をおこなった。今後、各党の審議(11月末頃までのとりまとめ)による共同提出により、今国会中の法案上程を目指す。

なお、11月7日時点でのIR議連に賛同し名を連ねた議員は自民党108名、民主党22名、維新23名、公明党7名、みんなの党4名、無所属3名、の6党171名だったが、12日時点では6党186名に。総会は本人参加61名、代理112名の計173名が参加。法案提出の機運の中、新加入が増えている模様。

【特定複合観光施設区域整備法案(仮称)〜IR実施法案〜に関する基本的な考え方(案)】
1.カジノを含むIRの実現、実施に関する基本的な考え方
・IRは観光振興、地域振興に資する成長戦略の一つのツールである
・カジノ・エンターテイメントを、適切に管理することにより健全、安心、安全な成人の娯楽の場を提供する
・IRの設置総数・設置区域は限定し、慎重かつ段階的な導入を図る・・・着実な施行を確認して、段階的設置することが基本。「大都市型」「地方型」の二類型が構想されることが望ましい
・地方公共団体の申請に基づき、国がIRの設置区域・地点を指定する・・・基本は地方公共団体による提案・申請をもとに、国がこれを評価・判断し、指定する。あらかじめ、国が設置場所を指定するという手法はとるべきではないという考え方。
・カジノの施行は民設民営を基本とし、区域指定を受けた地方公共団体が民間事業者を選定する
・選定された民間事業者は別途、国から免許を取得する必要がある
・規制と監視のために国の規制機関を新たに設ける
・国民の懸念を払拭し、国民の理解と支持を得られる制度構築を図る

2.IR実施法制定へ向けての基本的な考え方
・観光振興と国・地方の経済の活性化、財政への寄与を目的とする・・・収益の一部をもって地域経済の振興と少子高齢化に直面した国の財政に資することのほか、社会保障の充実や文化芸術の振興、ならびにその発信力の強化に資することを目的とする。
・特定複合観光施設と特定複合観光施設区域の指定
・特定複合観光施設区域の数と指定の在り方・・・当面の間、国際的、全国的な視点から、観光振興並びに経済振興の効果を発揮できる可能性の高い地域を優先し、地理的な分散を考慮した上で、施行区域を限定し、その着実な施行を確認した後に、段階的に施行数を増やしていく考え方を基本とする。
・地方公共団体による民間事業者の選定
・国の規制機関としてのカジノ管理委員会の役割
・カジノを施行民間事業者免許を取得しなければならない
・免許の前提として、欠格要件と適格要件を定義する
・民間事業者に付与された免許は違法行為等の場合には取り消す
・査察官制度を設け、特別司法警察官としての権限を与える・・・内閣総理大臣が、査察官を任命する。査察官はカジノ管理委員会の長の指揮監督を受け、カジノに係る犯罪につき、刑事訴訟法の規定による特別司法警察官として職務を担うものとする。(強い権能を持った査察官の必要性)
・施行に使用する関連機械、システム、器具等の製造事業者、施行に係わるサービス提供事業者等も免許の対象とする
・運営に関するあらゆる行為は規制と認証の対象とする
・施行に伴う納付金等及びその使途
・入場料を賦課できるものとする

3.社会的関心事への対応
・暴力団組織の介入や犯罪の温床になること等を断固、排除する
・マネーロンダリング(資金洗浄)を防止する
・地域風俗環境悪化、公序良俗の乱れを防止する
・青少年への悪影響を防止する
・賭博依存症患者の増大を防止し、その対策のための機関を創設する・・・財源にはカジノからの納付金収益の一部をあてるものとする。先例としては、諸外国において行なわれている「自己排除プログラム」や「家族からの申請による排除制度」などの仕組みを積極的に組み入れていくべき。