RSN 1月相談数273件、本人からの相談9割超

ぱちんこ依存問題相談機関のNPO法人「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN)は、機関誌さくら通信2月21日(第70)号で1月の相談数は、273件と発表した。一年の計という意味合いからも、新年の相談初日24件と集中したようだ。これにより24年度は1996件、2006年4月からの相談累計は8636件となった。

今回、本人からの相談は194件(92%)、家族・友人18件(18%)と、本人が9割超え。本人性別内訳では、男性152、女性42。本人相談経路(194件中)では、ホール内ポスター129件、その他25件、不明・拒否15件、インターネット14件、雑誌8件、他の相談機関2件、TV1件。

特集の「相談電話の向こうから」では、ホール従業員(アルバイト)からの相談例。専門学校生(男20歳)のAさんは、2年前から週3日ホールでアルバイト、休日パチンコで遊ぶ。借金はないが、1年前くらいから、公共料金や家賃の支払いが遅れがちの自分に気づく。アルバイト中に遊技する客を見ると、つい無性に自分も遊技したい衝動に。よい対策はあるかという相談。早期に相談につながったAさんには、生活や学業に影響が出ないよう、パチンコから距離を置くことを優先。アルバイト先を変えることを提案。西村代表のコメントでは、ホール従事者の中にも、のめり込み問題を抱えているケースがあるという。従業員の依存問題への防止のための研修、早期発見の対策など、健康管理と不正防止のために重要な課題という。

2ケース目は「パチンコで生活できる気がして転職を繰り返す人からの相談」Bさん(30歳・無職)の場合。20歳からスロットを始め、28歳の時、借金返済に行き詰まり自己破産。30歳になり、またホール通いを始めた。スロットで生活するつもりで仕事も辞めたが、生活が苦しく迷っている。相談員は丹念にBさんの話を聞いた中、最長で2年間しか仕事が続かない、転職の多さに着目。仕事が続かなくなると「スロットで生活する」空想の世界に逃げ込んでしまっているのが第一の問題。依存問題とは少し違っているケースだった。西村代表は、最初から決めてかからず、相談者の対人関係の構築能力、自立能力の評価、その問題の背景に目を向けた生活支援が、重要な鍵になるという。