PCSA ECO遊技機について問題共有

一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会(金本朝樹代表)は8月21日、都内千代田区のアルカディア市ヶ谷において第12期第1回臨時社員総会を開催。その中、第7号報告議案として「ECO遊技機アンケート」報告、ECO遊技機検討委員会報告などをおこない、ECO遊技機への問題共有につとめた。

PCSA正会員・賛助会員85名は6月28日午後1時〜2時30分、日工組会議室においてECO遊技機試作機説明会に出席。その際、主要な点について質問をまとめ、日工組より回答(7月11日)があったものが報告された。

ECO遊技機に関する情報の共有を目的として活動するECO遊技機検討委員会(三上圭一委員長)からは、検討のポイントとして (1)不正対策(2)エンドユーザー目線からのメリット(3)コスト問題(4)環境問題の4項目が挙げられた。

試作機を見た感想として「思っていたよりも完成度が高い」と評価。今後の活動として、中間の取りまとめには現状まだまだECO遊技機に関する情報が不足しており判断しかねる状況の中「現行の遊技機のままでは、果たして将来どうなのだろうという不安は一致しており、業界全体として新たな付加価値を創造していかなければならない」と委員の共通した認識を表した。そして、日工組に対して2点の要望(下記)を行なった事を報告し、ECO遊技機検討に積極的に参加していく方向性を示した。
・ECO遊技機が実際に登場してくるタイムテーブルの明示
・規則改正にあわせた幅広いゲーム性を持ち合わせた開発

【PCSA ECO遊技機アンケートQ&A】(A:日工組回答分)
①不正対策
Q.機歴管理の方法&目標としている導入時期
A.方法:日工組にて出荷情報、設置情報、中古移動情報、廃棄情報を一元管理するセンターを導入して管理。導入時期:2013年4月から現行機の機歴管理センターの稼働を開始。ECO遊技機対応については2014年4月以降より稼働可能とする予定。
Q.鍵管理センターの運営要件、機歴センターの運営のイメージ
A.運営は、日工組を中心に関係団体(カードユニットメーカー、販売業者、廃棄業者)と連携して推進する予定。
Q.万が一、ゴト(ROM交換等)が発生した場合のチェック方法&対策
A.搭載するCPUは暗号化された通信を行なうため、ROM交換等のゴトは困難な通信方式を採用。遊技機とカードユニット、鍵管理センターでの認証機能によって相互チェックを行い、不正改造の種類によって報知や遊技不能とさせられる
Q.新たなゴトで攻略された場合(全台停止するような)の対策について
A.遊技を停止する機能や報知機能を搭載。
Q.ICカードのセキュリティについて
A.遊技機とカードユニットと鍵管理センターでの認証機能によって相互チェック。容易に発見可能。
Q.遊技機異常をホール側で判別できるか
A.異常状態の場合、遊技機の電飾、自動音声による報知以外にも情報出力をおこなう。

②エンドユーザー目線からのメリット
Q.端玉数の払い出し設定の有無
A.端玉数はカードに記憶されるため、遊技機、カードユニットには無し。
Q.ハンドル固定以外にユーザーへ訴えかけられるメリットについて
A.騒音の軽減、高度なセキュリティ対策を講じていることにより安心して遊技できる等。

③コスト問題
Q.共通部分(枠など)の耐久性(期間)について
A.少なくとも検定期間(3年)は使用できるような構造や材質での設計を想定。目安は今後の耐久試験等によって決定していく予定。
Q.演出用サブ基盤容量は現在(64GB)と同等か
A.遊技盤の仕様は各メーカー対応。現時点では現行機と同様の予定。
Q.遊技機開発期間について
A.遊技盤の開発期間については各メーカー対応。
Q.鍵管理センター&機歴管理センターへのホールの費用負担について
A.ホール費用負担なし。
Q.ECO遊技機と現状の遊技機が併用される時期が当然あると思うが、その際のホールの設備費用負担についてどう考えているか
A.ECO遊技機の導入で新たに必要となるホール付帯設備はECOユニットのみ。ホールコンピュータ等、現行と同様に使用可能。
Q.ECO遊技機価格について、値上げを危惧している
A.ECO遊技機の本体については部品の共通化によって値上げは考えていない。
Q.機械代、インターフェイスを含めたランニング&イニシャルコストについて
A.現在、部品、材料のコスト削減など調整中。9月頃には暫定価格を提示できるよう進行中
Q.検定→認定→みなし という定義はECO遊技機も同等でかつ3年間ととらえていいのか
A.検定・認定について現行規則に準じる運用を予定している。

④環境問題
Q.研磨布の仕様
A.交換周期:3ヵ月以上(今後の実機試験で目安を決める予定)。磨き能力:遊技者の手の汚れ等がないので、それ以外のゴミや汚れを除去できる性能を想定。素材:布等(今後の実機試験で最適な材質に調整予定)。素材の大きさ:3m程度の布等(今後の実機試験によって最適な長さに調整予定)。コストイメージ:カートリッジ交換、リサイクル使用等コストの安い運用を検討していく。
Q.不法投棄の絶無に向け、盤面回収など下取り、買取などの対策について
A.ECO遊技機固有の問題ではないが、現行機を含めメーカーにて検討していく。

⑤その他
Q.内規変更についての取り組み(主導権・窓口等)
A.現在、検討なし。窓口は日工組事務局。