JAPaN 「CR時代と平成の終焉に描く、各ポジションからの業界新未来」開催

一般社団法人日本アミューズメントパチンコ産業ネットワーク(高橋正人代表/JAPaN)は11月22日、中野サンプラザ(東京都中野区)において、無料コラボレーションセミナー試練の2019年「新時代を創る全ての挑戦者たちへ」を開催し、全22講座が設けられた。その中、午後から150分枠で開催した「CR時代と平成の終焉に描く、各ポジションからの業界新未来」では、平沢勝栄衆議院議員の動画出演を通して、業界未来を検証した。高橋代表が進行役を務め、パチンコ業界に詳しい政治家の平沢議員(動画出演)、ホールオーナーの三井慶満社長(MIDジャパン)、ホール管理者の西ヶ谷敏行店長(マルハン)、ファン代表の春日弘光代表(JGブロス・ライター丈幻)、依存対策関係者の中村努施設長(ワンデーポート)、業界シンクタンクの鮫島将克上席研究員(矢野経済研究所)がそれぞれの立場で業界の未来について意見を述べた。

【シンポ・要旨】
■新規則遊技機への変更について/「ホールはこの平成の間に格段に進化し、洗練された。にもかかわらず、なぜファンが減少しているのだろうか」(三井社長)。「現場感では、新しいお客様が来ない事が答え」(西ヶ谷店長)、「メーカー各社のコスト低減や省力化の取組みと比べると、ホール営業のコストへ低減の取組みはまだ道半ば」(鮫島研究員)、「玉が出ない、勝てないがファンの率直な感じ」(春日代表)。「昔と違い今は色々な娯楽が出てきています。選択肢が色々ある。そんな中で、パチンコで遊んでもらおうと思ったら、業界も大変な努力が必要な訳です。売上が下がった、ファンが減ったのは、規制が強化されたというような言い訳ではだめだと思います。平成が終わり新しい時代になる中で、業界が変わるのは中から変わっていかなければいけない」(平沢議員)。

■依存問題から法整備の変化/菅官房長官のテレビ出演(7月23日プライムタイムニュース)においてIR法に関してパチンコを引き合いに出した規制強化の発言を取り上げ。様々な憶測がネットで拡散されているが、依存対策に比重を置いた取組みが引き続く事は確か。「依存症は病気であるという世論の動きになってしまった。問題ない人まで依存症対策という事で居場所を奪っているのではないだろうかと心配している」(中村施設長)。

■広告宣伝の抑制について/「ホールは何年も広告宣伝に頼って当たり前になっているから困っているのだろうが、1台1台の遊技機をしっかり管理して、薄利の営業、常連のファンを大切にする事を先決にして取り組んで欲しい」(春日代表)、「なぜ規制強化されるのかは、ノルマや競争原理という過当競争の中で、何度も規制が繰り返されている。繰り返すのではなく、他の産業と肩を並べ、社会認知を受けるために変えていく事が重要」(三井社長)。

■社会貢献について/「社会貢献しようという取組みは、皆さんがそれぞれの立場でお考えになればよいと思います。しかし他の業界の方も応援しようという事で取組んでいますので、当たり前の事だと思います」(平沢議員)、「例えばオリンピックのボランティアが集まらないという事で、業界が率先して協力したとします。それはそれで当然なのかもしれませんが、社会貢献という活動は、ネガティブな印象を消していけるチャンスではないか」(鮫島研究員)、今後、サミット、ラグビーWC、オリンピック・パラリンピックと目白押しの中、例えば入替自粛も想定されるが「協力するのが当然ですね」(三井社長)。

■受動喫煙対策/パチンコホールは、全面禁煙になるとファン増減について「パチンコファンは断然男社会ですが、これからは女性の共感を得られないと成り立たない。パチンコしない方々のパチンコへの偏見も様々ある中、チャンスの時ととらえたい」(西ヶ谷店長)、「世界中、カジノフロアは禁煙です。パチンコホールとして、新しいファンを創造していくため、禁煙化は流れだと思う」(三井社長)。「困ります。それならパチンコ止めてタバコをとりますね」(春日代表)。

■雇用確保・人手不足について/人手不足は業界に限った事ではないとしながら、「今年新卒が入りたい会社のベスト10にタクシー運転手が入ったそうです。今の働きたいという動機として、人のために役立ちたいという。タクシー会社(業界)もこういう会社で働きたい、こういう仕事がしたいという環境づくりに根本的に変えていったからだろうと思います。これに触発された中、私たちパチンコ業というものも、多くの人、地域に受け入れてもらい、どういう役割を担い、例えば地域の困り事に対応できたりして、なくてはならない存在として、本業の遊技も満足を与える事ができるサービスを提供できるようなる事が、パチンコ業の未来に期待を持てる存在に高めていきたい。そのために経営者も考え方を新たにし、脱皮の時が今だと思う」(三井社長)。「経済産業省の平成28年経済センサス-活動調査においてパチンコホール従事者は22.9万人。近いのは鉄道業22.6万人です。パチンコ業に関係している方々は、産業規模について知っておいていただきたい」(鮫島研究員)。

■業界の未来志向について/「かつてパチンコは一日の疲れを癒し、明日への活力となる遊びだったが、“今は違う”と言われる方がいます。もう一度、パチンコが見直され、存在そのものが社会貢献となるよう頑張っていきたい」(三井社長)、「パチンコはなくてはならない日本の文化だと思っています。平成から新時代をイメージするには、ピンチからチャンスに転換していくため皆で変えていきましょう」(西ヶ谷店長)、「話をうかがいながら、パチンコは昔からのめり込み対策と密接に関わってきたと思う。私はその中でパチンコと福祉のつながりをさらに太いものにしていければと思いました」(中村施設長)、「業界として、これからどういう方向にもっていくのかを決めるのは、他でもありません、皆さん自身です」(平沢議員)。