500.&依存学会 ギャンブル依存症対策に向け共同研究

2017年8月に日本法人を設立した500ドットコムジャパン(株)は10月26日、TOKYOスタジオ(虎ノ門ヒルズ・アンダーズ東京)において、「ギャンブル依存症対策研究」に関する記者発表会を開催した。500ドットコム社は、世界に約6000万人のネット会員ユーザーを持つインターネット・オンラインカジノ等のIT企業(中国)であり、同社の持つビッグデータ(ユーザーデータ)を活用、NPO法人依存学推進協議会(西村周三理事長)と共同して、日本でのギャンブル依存症対策の研究に着手すると発表した。

冒頭挨拶に立った500ドットコム社・CEOの潘正明氏(写真・右)は、「当社は、世界各地のユーザーの方々に利用いただいております。そしてゲーミングを提供する企業の1社として、依存症対策は社会的責任であると常々対策につとめてきました」と、これまで16年間に蓄積してきたユーザーデータを利用した検知プログラムも併せて紹介した。そして、同社も日本でのIR事業に魅力を感じているとして、「日本においてIRを作る前に、依存症対策が急務となっていると厚生労働省の調査研究でも明らかになっている。IR推進の流れにある日本において、我が社の依存症対策プログラムの有用性はまだ未知の領域ではあるが、これまでの事後対応に加えて、私どもの事前対応というノウハウとシステムは必ずや依存症対 策に貢献できると考えている」(要旨)と力説した。

西村周三理事長(写真・左)は、「ギャンブル依存症の研究を行っている日本人は少ない状況にあります。こういった研究はグローバルでやっていく必要があり、今回の共同研究含め、日本人の研究者がどんどん増えてくれる契機ととらえている」と歓迎した。

今後、日本でのギャンブル依存症対策研究に着手するため、テーマ検討部会を11月1日に立ち上げる。このテーマ検討部会では、2020年までの3年間を目安として、ギャンブル依存症の共同研究の方法、内容を決定し、行動につなげて行く予定。なお、今回の共同研究を記念し10月29日、東洋大学・白山キャンパスにおいて第8回 NPO依存学推進協議会シンポジウム「ギャンブル依存研究の最前線」を開催(参加料500円)する。

【テーマ検討部会の概要】
目的/500ドットコム社保有のカジノ・ゲーミングのユーザー6000万人のビックデータにより(1)日本における依存症対策の構築に向けた研究(2)その他、新たな研究テーマの決定
【500ドットコム社保有のビッグデータ概要】
(1)500ドットコム社実施の依存症防止に活用しているビッグデータ/性別・年齢・1回あたりの消費金額・累計消費金額・消費頻度(回数)・消費方法(クレジットカード、パフリックアカウント)等(2)その他、研究テーマに必要なビッグデータ