財団大遊協 留学生たちが舞洲のゴミ処理場を見学

公益財団法人 大遊協国際交流・援助・研究協会(高島洋理事長)は10月24日、外国人留学生を対象とした社会見学会を開催。日本の技術や文化を学ぶ機会を留学生に提供すべく、財団設立の翌年(25年前)からスタートしたこの社会見学会には、同財団が奨学金を支給する奨学生やその友人、大学での公募によって集められた9ヵ国(地域)の留学生52名(男性24名、女性28名)が参加。母体である大遊協からは金森浩年理事と福田善久青年部会員も参加した。

午前9時、バス2台に分乗して上本町バスセンターを出発した一行は、大阪府吹田市の万博記念公園内にある国立民族博物館に向かった。博物館は1970年に同地で開催された日本万国博覧会終了後跡地を利用して1974年に創設。東京帝国大学の学生だった渋沢敬三(後の蔵相、日銀総裁)が中心となって収集した民具などが展示されている。現在では民俗学・文化人類学を中心とした研究・展示を行なっている研究所の役割も含めており、当日は齋藤玲子准教授による「アイヌ文化と多文化共生について」と題した講演が行なわれた。

続いて大阪市住之江区のさきしまコスモタワーにて昼食。コスモタワーは日本で4番目に高い55階建ての高層ビルだ。その48階にあるレストラン「ワールドビュッフェ」で空腹を満たした後、留学生たちは最上階の展望台で大阪を一望した。また、コスモタワーまでの移動の間には、女性に対する性犯罪が多いことから、啓発活動のために同財団が協賛し、大阪府警本部が作成したDVD「女性のための防犯〜あなた自身を守るために〜」の上映や、参加者同士の交流を深めるため、クイズ大会などが行なわれた。

午後からは此花区の大阪市環境局・舞洲工場に移動。この工場は大阪市内全域から運ばれてくるゴミを焼却する、いわゆるゴミ処理場だ。オーストリアの芸術家であるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏がデザインした、まるで遊園地のような外観が特徴で、曲線やサイズや形の違う窓、壁面にはゴミを焼却するオレンジや赤のストライプ模様がデザインされている。留学生たちはゴミが運ばれてから仕分けや粉砕を経て焼却に至るまでのプロセスや、焼却熱を利用した発電設備、環境に配慮した取組みなどの説明を工場の担当者より受け、積極的に質問する姿が見られた。