日工組 回る回るパチンコに向け、内規変更を説明

日工組の金沢全求理事長は6月5日に開催した日遊協総会に出席。「ファン拡大に向けた今後の遊技機に関して」というテーマで“回る回るパチンコづくり”に向けた新内規を説明した。

金沢理事長は、遊技機の課題として、(1)ファンの減少をいかに止め、休眠層がパチンコを再び始めるようなきっかけをどう増やすか、(2)将来に向けた遊技機の開発、という二つの課題を掲げた。メーカーとして面白い遊技機を考えたとき、回らない→大当りの期待感がない→お金がかかる→故にパチンコはやめる、という負のスパイラルを絶つ為、最初の入り口として“回る機械”を提案。「20年来デジパチで来ている中、遊技性は一辺倒に受け止められている高いコンテンツ(版権)を使えば良いという事ではないだろう。『回る回るパチンコ』を早急に提案してきたい」と語り、回る遊技機として支持を得られるよう行なった内規の変更を伝えた。

日工組新内規
【遊技機の多様性について】

(1)最低賞球数について

以前は電チューの賞球を1個にする内規を制定していた。この目的は、確変中や時短中に開く電チューでの賞球(ベース)が増えない代わりに、電チューにたくさん球を入れ、早く確変・時短を終了(消化)し、通常のアウトを増やすと共に、通常時のスタート入賞を増やし、回るパチンコにできないだろうかというテーマだった。スタートについては、想定より回っていない現状であるが、電チュー1個賞球が可能になったことにより、表面上は分かりにくいが、ゲーム上ではいろいろな可能性が考えだされてきた。

この度の内規変更では、更に市場の活性化を促す趣旨で行なわれた。その内容は、特賞確率が260分の1より甘く、獲得できる遊技機球数の期待値(平均出玉)が、6400個以下(と、羽根物)であれば、スタートの賞球1個が可能となるというもの。条件の数値は、マックス機が市場を席巻している中で、条件無く1個賞球を採用するとキツイ遊技機となるのでそれを防ぐ為、いわゆるライトミドルと言われる分野より甘い遊技機を対象にして、お客様にとってはそこそこ遊びやすい遊技機を増やす目的だ。夕方からもよく回り、そこそこ当たる遊技機が増えるよう期待する。

保留が4個ついているのは従来機と同じ。この保留が満タンになるまで、スタートに入ってもベースは増えないのでたくさん回せるという算段だ。少なくなったベースの差、例えば1分にスタート6回の場合、3個賞球だと18個、1個賞球になれば6個となる。その差玉(18-6=12個)の使い方を、メーカーはどこに配分するのかを考え、ホールやお客様が満足できる開発を行なっていく。スタート賞球1個が可能になることで、スタートに球が入るまでの過程においても様々な工夫が凝らせるのではと考えられている。現段階で具体案はまだないが、純粋に球の動きに一喜一憂できる遊技機の幅も増えるのではないかと予想されている。

(2)特別図柄の抽せん確率を算出するための大当りについて。

デジパチで16R大当りを搭載した機械の場合、今までの内規では16Rの1/4=4ラウンドより少ない大当りについては認めない(あっても確率の計算には入れない)ものだった。それを今回、開放秒数、カウント、賞球数が同一の場合は、1/4未満であっても確率に入れる内容に変更。パカパカ(高速開放・実質出玉無し)ではなく、2Rでもしっかりとアタッカーを開かせ球が出るようにすれば大当りとして認めるという内容だ。これによって確変の回数ではなく、大当りラウンドによって波が作れるのではと考えられている。

尚、新内規仕様の遊技機は、6月から持ち込みが可能。早くて今年の後半から終盤にかけて新内規機がリリースされていくと予想されている。様々なアイディアが盛り込まれた新内規機たちに期待が集る。

【資料】日工組の新内規「遊技の多様性について」

(1)最低賞球数について
【条件】
・特別図柄の抽せん確率>1/260かつ総獲得遊技球数期待値≦6,400個
・旧2種タイプ(羽根物)
上記2つの条件のうち、どちらかを満たせば、特別図柄、普通図柄の始動口及び特別電動役物、普通電動役物の作動口の賞球数を1個以上とする。

(2)特別図柄の抽せん確率を算出するための大当りについて
【条件】
・特別図柄の抽せん確率>1/260かつ総獲得遊技球数期待値≦6,400個
上記の条件下において、大当り時の各ラウンドにおける大入賞口の開放パターン(開放秒数、カウント数、賞球数)が同一の場合は、1回の大当りによる最大獲得遊技球数の1/4未満であっても特別図柄の抽せん確率を算出するための大当りとすることができる。

(3)実施日
平成26年6月2日の型式申請より適用する。

≪(2)の説明≫
【例】
特別図柄■ラウンド■賞球数■カウント■開放秒数■獲得遊技球数■
「777」■16R ■15個 ■10個 ■30秒 ■2,400個 ■
「333」■2R ■15個 ■10個 ■30秒 ■300個 ■

上記の表の仕様において、特別図柄の抽せん確率が1/200の場合、「333」の大当りにおける獲得遊技球数は300個のため、従来の内規では、1回の大当りの定義を最大獲得遊技球数の1/4以上としていたことから、実質の特別図柄の抽せん確率が1/400となる。

しかし、今回の新内規により、大当り時の各ラウンドにおける大入賞口の開放パターン(開放秒数、カウント数、賞球数)が同一であるため、「333」の大当りも特別図柄の抽せん確率を算出するための大当りとすることができるので、実質の特別図柄の抽せん確率は1/200となる。