岡田美術館 女流名人戦初の美術館対局は、清水女流六段制す

(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する女流名人戦、第42期「岡田美術館杯女流名人戦」5番勝負の第1局は1月17日、 岡田美術館(神奈川県箱根町)において開催した。第1局は138手で里見女流名人が投了、清水女流六段が先勝した。女流名人戦は、女流棋士の誕生とともにスタートした最も古い歴史と伝統のあるタイトル戦。そして冠名を「岡田美術館杯」とした最初の女流名人戦となった。1月16日、関係者を集めた前夜祭を岡田美術館のとなりにある箱根ホテル小涌園で開催した。

公益社団法人日本将棋連盟を代表して谷川浩司会長は「美術館でのタイトル戦は、女流棋戦では初めてです。将棋はもちろん勝負なんですけれども、ふたりでひとつの棋譜を作り上げるという作業でもあり、明日の対局でどのような芸術作品が誕生するか、私も楽しみにしております」と岡田美術館での名局を期待した。それに応えて小林忠館長(岡田美術館)は「ようやく箱根町に人が帰ってきまして、にぎわいを増してきております。この女流名人戦でより活力を注いでいただきましたら、ありがたく思います」と第1局の対局場を提供できたと、関係者各位、地元の理解と協力に対して謝意を述べた。

里見女流名人は箱根に到着してすぐ岡田美術館を見学した感想を述べた。「館長さま、副館長さまに説明をしていただきまして、楽しく拝見いたしました。新しい気持ちで1年のスタートを切れるように、気持ちを切り替えて臨もうと心がけております」と述べた。同じく清水女流六段も、岡田美術館見学の感動を込めてあいさつ。「素晴らしい作品ばかりで、千年、何百年という時を経て色あせないどころか、深みと重みを増していく作品を間近で拝見いたしまして、胸を打つといいますか、心に響く、明日に向かうエネルギーをたくさんいただきました。私も、いままで長い年月、積み重ねてきたもの、身につけてきたものを、明日すべて出しきれるように、精いっぱい臨みたいと思います」と誓った。

17日の対局当日、岡田美術館の日本庭園内にある開化亭の対局室において、午前9時、小林忠館長(岡田美術館)の振り駒により、里見女流名人の先手で始まった。午後からは岡田美術館・5階ホールにおいて、現地大盤解説会(解説者/豊川孝弘七段、聞き手/室谷由紀女流二段など)が開催し、多くの将棋ファンが参加した。対局が始まって約8時間後の午後5時前、小雪のちらつく中、清水女流六段が熱戦を押切り、先勝した。対局後、両対局者は、初の美術館対局の感想を述べた。「地元の皆さまから大歓迎していただいて、それで気持ちがほぐれました。岡田美術館で過ごさせていただいた 時間は自分にとって、大きなプラスになったと思います」(清水女流六段)。「すごくいいところで、昨日はすごくリラックスして、今日も対局室は静かで、とても指しやすかったです」(里見女流名人)。

里見女流名人が第1手を指した

前夜祭健闘誓う両対局者

振り駒を務めた小林館長

終局直後の対局室

対局関係者登壇。左から青野照市専務、島朗常務、立会人の先崎学九段、豊川孝弘七段、室谷由紀女流二段、高浜愛子女流3級

対局後、大盤解説会場に現れた両対局者