出玉規制案 TV番組で出玉規制に物議醸す

大阪の読売テレビで8月6日に放送(日曜13:30-15:00)された政治・経済等をテーマにして扱う討論形式の報道系バラエティ番組『そこまで言って委員会NP』で、警察庁の発表した出玉規制案が物議を醸した。

「IR推進法案が成立したのを受け、問題視されているのが、現在536万人(*1)もの患者がいるとされるギャンブル依存症患者。その対策の一環として警察庁が7月11日に発表したのが、パチンコの出玉規制案。警察庁は1回の標準的な遊技時間とされる4時間で獲得できる出玉の上限を現行の十数万円から5万円を下回るようにする(*2)事で、一発当てて負け分を取り戻そうとのめり込みを防げると主張するものの、出玉規制には大きな効果は期待できないと、不賛同を示す声も多い。それでは、皆さんお答えください。今回発表した警察庁の出玉規制案に賛同できますか?」というお題。

パチンコ出玉規制案に各出演者の最初の反応は賛同2、不賛同6。「皆思っていて言わないのは、パチンコはギャンブルだと思っているからではないでしょうか」と議長役の辛坊治氏。ゲストで出演した国会議員4名は出玉規制案に、賛同3と不賛同1。消費者金融の時の貸金業法改正(2007年施行)を例にあげた後藤田正純議員は、「結局あの時も貸す親切よりも貸さない親切が社会政策だった。ギャンブル依存症の方々に(負け分を)取り戻せないという事をわからせる施策」と妥当性を主張。松原仁議員は、「景品表示法を例にして、景品の当りの限度というものがあるわけですよ。100円で1000円2000円なら妥当かと思いますが、7が揃ったからと何十万円になるというのは射幸心をそそるわけです。5万円は妥当ですよ」と元国家公安委員長も務めた事がある立場で説明した。

「理屈の世界でギャンブル等依存症を無くしてしまえというような事は政策の世界ではあってはならない。パチンコ産業に従事している方々だって沢山いる訳です。その現実を考えて、対処すべき」とパネラーの一人である長谷川幸洋氏がパチンコ産業の存在について認識を促した。なお、警察庁の出玉規制案のパブリックコメント締切は8月9日(必着)まで。

(*1)2013年に厚生労働省が行った調査では、ギャンブル依存症の疑いがある人が4.8%、推計値で536万人と2014年に発表した。しかし、現在、その信憑性に問題があるため、再調査が進められている。
(*2)標準的な遊技時間(4時間)で遊技者が獲得できる遊技球数(遊技の用に供した遊技球数を減じた純増分)の上限が5万円以下、既存の出玉規制の3分の2程度の出玉に規制する事でのめり込みが抑止できるという根拠は示されていない。