調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人 日本生産性本部(前田和敬理事長)は7月15日、「レジャー白書2025」(速報版)を、オンラインを通して、余暇参加実態の概要説明を長田亮上席研究員が発表・質問に答えた。
■パチンコ・パチスロの参加率は7.1%と前年より0.3増加。年間平均活動回数31.0回(-0.2)、年間平均費用8万9900円(-1万9100円)、希望率5.4%(+0.2)と示した。公営競技などは堅調に推移。参加率・年間平均費用では、宝くじ17.5%・2万8100円、サッカーくじ4.1%・2万9800円、中央競馬8.5%・8万5800円、地方競馬4.6%・7万1700円、競輪2.9%・5万9800円、ボートレース2.7%・7万3800円、オートレース1.4%・6万3100円。諸物価高騰、2024年問題、改刷対応、オーバーツーリズム、オンラインカジノが社会題問題化するなどした2024年、娯楽部門(ギャンブル等)の競輪や競馬など公営ギャンブルは、オンラインが8~9割を占める程になっており、余暇重視派が比率を上げている傾向の中で、余暇のあり方も変容してきている。
「レジャー白書」は1977年に創刊され、全国調査をもとに日本における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的にとりまとめており、レジャー白書2025は、10月に発行を予定している。今回、余暇活動に関する個人の意識や参加実態に関するアンケート調査の結果を、速報版として公表したもの。調査は、今年2月にインターネットを通じて実施し、全国の15~79歳男女、3467人から有効回答を得て、推計。参加人口、市場規模については、集計中とのことで、レジャー白書の発刊に掲載される予定。2024年の余暇活動参加率は、「国内観光旅行」が3年連続1位。潜在需要では「海外旅行」が同様に前年に続き1位となった。
●仕事より余暇を重視する「余暇重視派」が過去最高を更新
仕事(勉強や家事を含む)と余暇のどちらを重視するかを尋ねたところ、余暇重視派(「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」「仕事は要領よくかたづけて、できるだけ余暇を楽しむ」の合計)が67.8%と過去最高を更新。特に「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」の割合は2021年以降増加しており、37.8%とこちらも過去最高を更新した。
●余暇活動参加率では、「国内観光旅行」が3年連続1位
余暇活動の参加率は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が、48.3%で3年連続の1位。前年(48.7%)から横ばいで推移。ただし、コロナ禍前の2019年(54.3%)より低い。2位は「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(38.1%)で前年から1.1ポイント増。順位を1つ上げたが、1位となった2020年(39.4%)より低い。一方、前年2位の「外食(日常的なものは除く)」は3.6ポイント減少し3位。4位、5位はともに前年に引き続き「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」となった。男女別でみると、男女ともに「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が1位だが、参加率はいずれも前年よりわずかに低下している。
●潜在需要では、「海外旅行」が前年に引き続き1位
各種目の希望率と参加率の差を「潜在需要」として算出したところ、1位が「海外旅行」、2位が「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」と、前年同様の結果となった。ただし、「海外旅行」は前年より3.9ポイント、「国内観光旅行」は前年より0.6ポイント減少。いずれも前年より希望率が低下したことにより潜在需要が低下している。
●一人当たりの平均参加種目数は10.4種目から10.2種目に微減
一人当たりの平均参加種目数は10.2種目。コロナ禍の2020年(9.9種目)、2021年(9.7種目)、2022年(10.1種目)より微増したものの、前年2023年(10.4種目)からは微減。また、2019年(12.3種目)よりは低い。
■レジャー白書2025
・著作者/公益財団法人 日本生産性本部 編
・発行年月/2025年10月(予定)