ユニバーサル 「岡田美術館杯女流名人戦」10連覇祝う

(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する「岡田美術館杯女流名人戦」(報知新聞社主催)は4月5日、明治記念館において第45期女流名人戦就位式を執り行った。女流名人戦は、現在行われている将棋女流タイトル戦の中では最も古く、1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ(株)(2009年11月1日に(株)ユニバーサルエンターテインメントに社名変更)が特別協賛となり、2015年より「岡田美術館杯女流名人戦」として開催している。

第45期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負は、里見香奈女流名人に伊藤沙恵女流二段が挑戦。2月18日、対戦成績3勝1敗で里見女流名人が防衛した。里見女流名人は、2010年2月10日、清水市代女流名人(当時)を3勝0敗のストレートで下して以来、これで10連覇となった。女流棋戦における同一タイトル戦の二桁連覇は、林葉直子氏が女流王将戦にて、1981年〜90年の10年間で達成して以来、史上2例目の快挙となった。

偉業を祝うため、果物で描かれた「10」の文字のケーキを受けた里見女流名人は、「最初は高校3年(17歳11カ月)でした。学生から社会人になって周りの方々の支えを実感し、少しは成長出来ました。これからも『今』を大事に、一生懸命頑張って参ります」と謝辞を述べた。現在、里見女流名人は、女流王座、女流王将、倉敷藤花と合わせ四冠を維持。女流タイトル獲得は通算35期となった。

日本将棋連盟の佐藤康光会長は、平成最後の女流名人戦での偉業と、「藤井聡太七段が数々の記録を塗り替えていますが、里見女流名人の20代の若さで10連覇というのは、さすがの藤井さんも真っ青という記録」と称えた。小林忠館長(岡田美術館)は、プロ野球団・巨人の熱烈ファンの一人、「あの巨人軍のV9を超える今回のV10。これからの活躍に期待しています」と述べ、岡田美術館を会場として女流名人戦がスタートするようになり、箱根の新年の風物詩として根付いてきていると、「次回46期は令和としてのスタートです。楽しみにお待ちしています」と祝した。清水市代常務理事(日本将棋連盟)は、女流棋士45周年を記念して様々なイベントを企画していると、「女流棋士一人ひとりが感謝の気持ちで、今後も将棋界の発展に努めたい」と乾杯の音頭をとった。

彩り鮮やかな花柄をあしらった振り袖姿の里見女流名人は、「私にとってすごく大きな1年。日々を無駄にせずに頑張っていきます」と早くも新たなチャレンジを誓っていた。

10連覇記念ケーキの前で、小林館長と里見女流名人(右)