東京青年部 第29回フォーラム110開催

東京都遊技業協同組合(阿部恭久理事長)の青年部会(高橋孝幸部会長)は12月8日、東京・新宿区の遊技会館において、第29回フォーラム110を開催した。第1部では、福士広樹氏((株)ワークス・プレイングマネージャー)による「最新ゴト事例の報告と対策」、第2部では中村努氏(認定NPO法人ワンデーポート・施設長)の「パチンコ・パチスロ依存からの回復体験談」、第3部は村岡博之氏((株)パチンコビレッジ)による2016年〜2017年にかけた遊技機について理解を深めた。

高橋青年部会長は、「師走の時期、忙しい中参加ありがとうございます。IR法案が動き始め、色々激動が予想されますが、業界として臨機応変に連携して対応していければと思います」と述べ、厳しい経営環境が予想される中、フォーラム開催意義を強調した。

福士氏は、ゴト手口において、最新事例8事案を報告し、現場での対応・留意点を説明した。その中、「持ち込みゴト事案」では、歴史が長い分、ゴト手口が多様化。普通の遊技客が出来心で犯行に及ぶケースも珍しくない。単独犯からグループ犯までゴト師の種類も幅広い、など要注意と呼びかけた。まず、営業中の違和感や不審行動など異常を報告しやすいような現場の雰囲気づくりが重要とした。「ゴトに注視ばかりしていられないという声があるかもしれませんが、お客様に還元する利益を守るという意識で、ゴト対策に努めていただきたい」と呼びかけた。

ワンデーポートの中村施設長は、「IR法案の事で、色々なマスコミから急に問い合わせをいただく。しかし、相手方にはすでに答えがあって、ワンデーポートはカジノ反対のはずだからその意見が欲しいというもの。私たちは中立であると答えると電話が切れ、過激に反対を唱えるところを取り上げ、偏った報道が横行していると感じる。問題を持った当事者にとっては、誤解と偏見がますます強くなって、困った状況と感じています」と近況を報告した。2000年からスタートしたギャンブルの問題がある人のためのケアセンター・ワンデーポートの活動について、正しい理解と協力を呼びかけた。

「2016年の遊技機総括と2017年の業界展望」(村岡氏)では、今年のパチンコ・パチスロ販売状況などを分析し、来年の動向などを予測した。2017年の予測では、パチンコでは短時間に出玉のスピードを競うスペックとした。パチスロでは、9月〜10月5.9号機により様変わりすると予測。「IR法案が衆議院を通過し、その事でパチンコ業界はどう影響があるかに関心が及ぶ。健全営業をしっかりと進めて、対応していただきたい」と述べ、村岡氏自身が掲げる業界人もパチンコ遊技を率先しようを掲げ、2017年は100日以上と自らの目標を掲げていた。