日遊協 第6回広報担当者フォーラムを開催

一般社団法人 日本遊技関連事業協会(西村拓郎会長)の広報調査委員会(福山裕治委員長)は3月11日、第6回広報担当者井戸端会議を、ウェブ会議システムを利用して開催した。

今回、講師に公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授(写真)を招いた。「快感商売の基礎」をテーマとして、日遊協理事でもある篠原教授から、脳科学の視点から“好意をもって選ばれる”理論を学んだ。これは広報担当者のみならず、広告宣伝担当者にとっては自店を選んでもらえるような施策のヒントなり、採用担当者にとっても学生に魅力的な企業として映る事にもつながる事などから、セミナーのみ対象を拡大しての視聴となった。

フォーラムに先立ち、全員で東日本大震災の犠牲者に黙とうを捧げた。開会にあたり担当理事の福山裕治副会長は、「東日本大震災発生から11年が過ぎ、またコロナ禍での生活が2年を過ぎました。悲しい話題が多い中、新たな取り組みも各所で始まっています。この広報調査委員会の企画も2020年当時、コロナ禍で予定が二転三転し、試行錯誤した結果オンライン会議でスタートしました。今回のフォーラムは2021年11月の広報担当者井戸端会議に、篠原教授が参加された事から続いてセミナーとなります」とあいさつした。

【セミナー要旨】
好意をもって選ばれる「選好度」とはどういう事か。視線解析と脳活動の関係から、動画や画像では人や文字、さらにはロゴに視線が集まる事がわかっている。また、同じパチンコ機のCMを視聴しても、ライトユーザー、ミドルユーザー、ヘビーユーザーの順で、脳の活性化がみられる。別の実験では、視線が止まる時間を0.3秒と0.9秒というわずかな時間差をつける事でも、長く見た対象を好きになるという結果が出ている。こうした実験結果を踏まえ、「選好度を強化、減衰するもの」「パチンコがらみで共起する快感」へつながる。選好は依存させる事とは異なり、ホールの会員カードのデータを用いた実験からも依存リスクを高めないとの結果が出ている。「胸張って広告すればいい」という結論となった。

セミナー後、第二部として特定のテーマは設けず、自由にグループディスカッションを行った。終了後のアンケートで参加者から、「脳科学のお話は難しいイメージがあったが、日常での具体例も豊富で、理解しやすかった」、「『ブランド』や選択の際の根拠となる部分のお話が非常に興味深かった」、「選考度の強化はパチンコ業界だけの話ではないので、採用・育成分野でも活用していきたいと思った」といった感想があった。