全遊振 新規則時代に生き残るためのビジョンづくり

一般社団法人 全国遊技ビジネス振興会(曽我部康二会長)は2月15日、都内台東区のTKP上野ビジネスセンターにおいて、第2回目となる定例セミナーを開催した。2月1日改正風適法が施行された中、小森勇名誉顧問は「業界維新の今、ビジョンを示す時」と示し、三井慶満顧問は「新たな社会が到来していることを肌で感じ最適化して動くこと」と未知の業界状況に果敢に立ち向かう時と示した。

挨拶に立った曽我部会長は、「なかなか売上の伸びない中、ただひたすら経費削減には励んでほしいところです。色々な助成制度もうまく活用したいものです」と述べた。小森名誉顧問は、「今、大河ドラマでは西郷どんですが、明治維新の黎明期と現在のパチンコ業界は似ていないだろうか。これまでのパチンコの常識が通用しなくなっていて、かといって手探りながらも何とかやっているという状況。新規則となり、今後どうしていくのかの指針を打ち出せているだろうか。目先の処世はできるかもしれません。マックス、高射幸性の回胴式遊技機30%以下、外しましたの先は何でしょうか。ネットの情報を真に受けていても何も始まりません。現場をリアルに見なければ本来のビジョンは見えて来ないでしょう」と述べた。三井顧問は、「何でもネットで申し込めば事足りて、外にでなくても満ち足りた生活が始まっている。では、その先には何が待ち受けているのか。AI事情は急激に進んできて最適化していくでしょう。ラインのリンダという15歳の女子高生(AI)と会話してみて下さい。AI会話の学習は刻々と積み重なっているのです。会社の労務・財務など各部門は最適な『楽と便利』を提供するアプリを導入すべき時です。おそらくライフスタイルは、2020年までに激変すると予見されている。その時、人はどんな暮らしぶりになるのかを想定するほどに、パチンコは進化する以外にないのではないか」と今からがパチンコ進化の出発点となると示した。

セミナーでは「最高の営業力を産む最強の組織の作り方」(出村一郎代表取締役」・(株)BDS」から、パーソナルデータから導きだされるBDS理論の真価と応用について伝授した。続く、鮫島将克上席研究員(矢野経済研究所・写真)は「データで読み解く新規則時代とその先にある未来」を実データにより近未来を想定した。これまでの10年間で企業1232社、グループ1058社減少(5年間では企業731社、グループ609社減少)。ところがその企業の内訳では市場の80%が小規模企業(2010年と比べても大きな変化なし)である。日本は少子高齢化が顕在化していき、パチンコは大衆娯楽からマニア向けサービスとして顕著化する中で参加率・人口減少社会の到来、その減少分をどうやってホールはカバーしていくか。2007年から2017年で3351店舗が減少し、2020年には9000店を下回ることも最悪覚悟しなければならない。この淘汰は、過去・現在を踏まえると、600台クラスまで淘汰され、スロ専など特化型店舗の大型化も一般化していくだろう。2030年までに生き残りをかけどう戦うか?個店レベルで効率的な経営を行うには、スクラップ&ビルドを検討する時にある。それは個店の(現状・将来)ポテンシャルを見極めた上で(投資の)優先順位が導き出される。ポテンシャル(強味・弱み)を見るためには、立地(商圏人口・客の質・設置台数)と営業(シェア・設置規模&距離により選ばれる確率論)などの指標により評価する事ができる(矢野経済研究所の独自指標)。現在、このポテンシャル調査が増えており、スクラップ&ビルド時代を戦い抜ける指針としてほしい。