全遊振 大変革の時代に重要な「きっかけ」づくり

一般社団法人全国遊技ビジネス振興会(全遊振)は7月21日、東京都台東区上野のホテルパークサイドにおいて第5回セミナーを開催した。

セミナーに先立ち、曽我部康二会長は、回収撤去に追われる1年となっていると述べた。「6月23日に撤去リストが公表されたが、それ以前の段階で、悲観して営業を断念するという店舗(経営者)は少なくありません。閉店するといってもすぐにできるわけもなく、6月に決めたなら、9月閉店が最短。今後、大手が進出してきたら大変ということで、何店かの1店を異業種にしたいという問い合わせもある。今の1万店余の規模が、8000店、いや7000店になるという見方もあるが、今冬の時代かもしれないが、春が来るという見方もできますので、全遊振の場を通して、情報交換を通して、中小店舗が生き残っていけるノウハウをひとつでも多く、お客様に愛される店舗づくりに役立てていただきたい」と、コンサルティング会社・NSPドクターの活動状況で感じる事を通じて、全遊振の活動意義を伝えた。

コンサルの小森勇名誉顧問は、回収撤去によって業界全体にあきらめ感が漂っていると指摘。「粛々と回収撤去に努めなければならない。しかし、何かやらされ感として感じる。そうではなく、業界自らが主体的に回収撤去をして、そして来るべき2017年からは、こういう業界にしていくという展望(ビジョン)が感じられないのは、私だけだろうか。根本から営業を見直すことが大切」と、大衆娯楽への活力溢れる店舗営業づくりに檄を込めた。

三井慶満顧問(写真)は、業界の今後の展望として、現在を業界大変革の時ととらえた。「会社の組織のあり方、店の運営、オペレーションのやり方、メンテナンスの仕方、すべて変えていかなければならない。本当に変わっていくとわかっているのに、けれど、私すら含まれるかもしれないが、経営者、幹部、店長、現場スタッフに至るまで、何とかなるというような感じで、変革を拒んでいるものです。私は経営者のひとりとして、会社の全員が変わるのだというきっかけを作らなければいけないと、それが責務(リーダー)ととらえている」と述べ、そのきっかけ作りのひとつとして、今年行ったラスベガス旅行と滝行の体験エピソードを紹介した。「今、パチンコ店に勤める8割近くは、パチンコしない。お金を使って勝った負けたという経験がない。こういう産業は衰退する。いい店づくりにどん欲になれないはずです。遊びを知らない、遊びの喜びを知らない。大人の遊びのひとつとしてパチンコ営業、大人の遊び場を作っている者、提供している者が、遊び方を知らないとしたら、人の気持ちがわからない商売って、あるでしょうか。」と、遊びの感性を全員が研ぎ澄まして、これからの新しい営業を創る人(変革)作りに期待を込めた。その後、市原毅氏(GGP・代表)が「しくじり先生〜市原の失敗人生から学ぼう〜」、ダウニー澤氏「現役店長が語る!」の現場に根ざした2セミナーを開催した。次回、第6回セミナーは9月15日を予定している。