ダイコク電機(株)(本社/名古屋市中村区)は7月14日、東京ドームホテルにおいて、「『DK-SIS白書2025年版-2024年データ-』記者発表会」を開催した。2024年の売上規模はパチンコ7.7兆円、パチスロ8.5兆円で、全体で16.2兆円と推計し、コロナ禍からやっと平常に戻りつつある業容とした。粗利規模はパチンコ1.37兆円、パチスロ1.17兆円で、全体で約2.54兆円と推計された。
発表会には、栢森雅勝代表取締役社長、MG推進部SISプロフェッショナルの片瀬宏之首席講師が出席。栢森社長は、DK-SIS白書は2024年の業界情勢を見ていくだけでなく、今後の業界を見ていく指針になる取組みであると、取り巻く様々な変化があった。大枠では、店舗数の減少が見られたが、業界粗利は増加傾向にあり、スマート遊技機はユニット普及数から換算して市場の3分の1になっており、業界の実状と今後の動向予測が見えるよう、DK-SIS白書の発刊意義を伝えた。
同白書はDK-SIS会員の実・営業データを基に2024年のパチンコ市場を分析・推計したもの。DK-SISは、遊技機台数約140万台(2025年3月末時点)、全体市場規模の約42%のカバー率、年間売上8.9兆円、業界として唯一のビッグデータを保有している(店舗数が減少している中、DK-SIS会員は着実に業容を積み重ねており、貴重な指標となって精度の高いデータとなっているとした)。
片瀬講師は、2024年の業界キーワードとして、①業界市場初めて20円パチスロの台数が4円パチンコを上回る。パチスロは好調が続くも4円パチンコのアウトは過去最低に。②業界総粗利は横ばいも遊技機利益が増加。売上規模も2年連続の増加となり、コロナ禍からの回復傾向となる。③スマート遊技機の導入が進み、スマートパチスロシェアは50%超に。一方でスマートパチンコの導入ペースは伸び悩む。④パチンコ・パチスロともに遊技機の高出玉性能化が進む。
■業界の市場規模・参加人口の再考の時
レジャー白書2024において、2023年パチンコ参加人口は前年より110万人減り、660万人とファン離れの様相で推計された。DK-SISで業界データを集めて推計する中、業界総粗利がパチンコ業界の市場規模を表す上で重要な指標としている中で、ファン離れや店舗数の減少による業界縮小傾向という認識にはないとした。
■パチンコ・パチスロともに遊技機の高出玉性能化が進む
4円パチンコ(ハイ・ハイミドルタイプ合算)は売上性能、出玉性能の上昇傾向が続いている。1時間当たりの消費金額、消費スピードを抑える機種もないと、パチンコ業績の回復は難しい。同様に20円パチスロ(AT系タイプ合算)は売上性能、出玉性能が上昇している。
2024年は遊技機販売台数が大幅に減少したが、2025年はパチンコではLT3.0プラス、パチスロはボーナストリガーといった新しいゲーム性を有した遊技機が登場する。市場が大きく変化する可能性があるところから、新台購入の費用対効果を見定め、パチンコ・パチスロのどちらによりコストをかけるべきかを常に確認し行動に移すことがますます重要になると考えられる。
■「DK-SIS白書2025年版-2024年データ-」
刊行日/2025年7月
価格/4万9500円(税込)
編集・発行/ダイコク電機株式会社