ワンデーポート 25周年セミナー開催

設立25周年を迎えた認定NPO法人ワンデーポートは6月29日、神奈川県司法書士会館(横浜市中区)において、「ギャンブル依存問題と向きあって25年~いま伝えたいこと~」(後援/リカバリーサポート・ネットワーク、依存の問題の支援に携わる人たちの勉強会)を開催し、様々な関係者40名余が参加した。ワンデーポートは、ギャンブルに問題を持っている人の回復を支援する施設を運営、2000年から活動している。

最初に稲村厚理事長(司法書士)が4半世紀を過ごせてきたことに関係者各位に謝意を述べた。「25年前は、ギャンブル依存は世間からはメインの問題(関心)ではなかった。今や社会課題、政治課題として浮上してくるなど、大きな変化が続いています」と振り返った。また、RSNから4名が参加して、西村直之代表(精神科医)のメッセージを紹介。西村代表からは、「ワンデーポートの中村さんとの出会いがなければ、私はギャンブル依存領域に向かうことはなかった」と、ギャンブル依存について向き合うことになったきっかけと振り返った。さらに、中村氏の活動の変遷に影響を受け、今着目されている「遊びの能力の関係」も新たな境地に向かうだろうと期待し、RSNのパチンコのめり込み問題の電話相談の立ち上げにも大きな支えとなったことに謝意を述べ、依存問題に現場で寄り添ってきたワンデーポートの取組みがさらに続いていくことを祈念した。

第1部で、ワンデーポートの活動を通して、本人支援・NPOの役割について中村努氏(ワンデーポート施設長)は、「25年間見てきた風景~生活視点と遊び視点を中心に~」と題して、依存問題を抱える方は、社会で居場所がない、仕事でストレスを抱えやすい、「遊び」が広がらない(ギャンブルをやる前から)などの課題があると、「余暇と遊び」の視点による依存対策に切り込むことは有効なのではないか。また、問題を持つ人にも受け入れやすいのになるのではないかと投げかけた。

第2部は、「それぞれの立場から25年の活動を振り返る」とパネルディスカッションを開催。ワンデーポートを支えてきた稲村理事長、宮永耕副理事長(東海大学社会福祉学科准教授)、高澤和彦理事(浦和まはろ相談室)、小野寺正夫理事(第一産業代表取締役)、志立玲子監事(NPO法人アパリ)、植松育子監事(司法書士)、大橋俊弘運営委員(ソーシャルワーカー)からそれぞれの立場からワンデーポートの活動や学びを振り返った。

依存の問題の支援に携わる人たちの勉強会は、原則として毎月第1日曜日に開催している。問い合わせは、ワンデーポートまたはRSNまで。

認定NPO法人ワンデーポート