日工組財団 遊技障害研究論文が専門誌で査読・掲載

日工組社会安全研究財団(椎橋隆幸会長・略称/社安研)の「パチンコ・パチスロ遊技障害研究会」は、「ウエブモニターを用いたパチンコ・パチスロ遊技障害の症状の出現頻度の検討」(秋山久美子氏など研究者10名)研究論文について、精神医学領域の学術誌『精神医学』(医学書院)の査定を通過し、掲載された事を公表した。

同研究会は、パチンコ・パチスロ遊技障害を正しく測定する事を目的として「パチンコ・パチスロ遊技障害尺度(PPDS)」を開発。この尺度を用いた全国調査の推計を実施した中、さらに遊技障害の予防、低減という着眼で予備研究を重ねてきた。「『軽度(重度)』のパチンコ・パチスロ遊技障害の疑いのある人は、どんな『症状』を抱えるのか」を明らかにする取り組み。今回の論文は、そうした「障害の軽度・重度」と「各症状」との関係を明らかにする分析をまとめたもの。これらの結果は、支援・介入のあり方や、当事者が抱えるリスクの軽減に重要な情報を与えるものという。

同研究について社安研は、平成25年度より「パチンコ依存問題研究」の事業を実施。平成29年12月より「パチンコ・パチスロ遊技障害の研究」事業として名称を変更し研究を続けている。その研究の一つの成果として同「ウエブモニターを用いたパチンコ・パチスロ遊技障害の症状の出現頻度の検討」がある。掲載されたのは、『精神医学』第60巻第9号別冊(2018年9月15日発行)。

社安研では、今後も引き続き、遊技障害の内実を明らかにするとともに、諸対策に活用できるような要因の特定等の研究を進めていくとした。

【研究者】(敬称・略)
秋山久美子(日工組社会安全研究財団・非常勤)
坂元 章(お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系)
祥雲暁代(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
堀内由樹子(お茶の水女子大学文教育学部)
河本泰信(よしの病院 精神科医)
佐藤 拓(成瀬メンタルクリニック院長 精神科医)
西村直之(リカバリーサポート・ネットワーク代表理事 精神科医)
篠原菊紀(諏訪東京理科大学教授)
石田 仁(日工組社会安全研究財団主任研究員)
牧野暢男(日本女子大学名誉教授)