【現地ルポ】 東日本大震災 取材日誌6    3月20日

(このレポートは仙台でパチンコ業界誌「フェイム」を発行している、ほくとう通信社の代表、友道学氏に寄稿していただきました。友道氏は地震発生時、群馬にいて難を逃れ、14日に事務所のある仙台に入りました。)

 

 

 

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3月20日

 


前夜はとても疲れを感じ、今日は休もうと思ったのですが、朝方の大きめの余震で目が覚め、再び眠ることができずにアレヤコレヤ考えていると「時間のムダ!」という天の声で、ガソリンの心配などせずに、勇気を振り絞り、一昨日行けなかった塩竃に行くことにしました。


午前6時、国道286号線沿いでガソリンを求めて、開店するかの確証もない中、ひたすら並ぶ自動車の長蛇の列を横目に、一路塩竃へ。ところが、一人で運転をしながら走行していると断続的に頭をよぎるのが、仕事のこと、家族のこと、将来の生活のこと、食料のこと、洗濯のこと、風呂のこと、そして行き着くところはガソリンのこと、となってしまい半分無意識のうちに、車列の最後方に停車してしまった自分がいました。数分して、我に帰り、再出発となったのですが、思考回路が崩れかけている自分に驚きました。
 

さて、仙台市の東隣の多賀城市に入ると景色は一変します。辺り一面が瓦解の世界です。町前交差点の「ひまわり」に飛び込んでいた大型貨物トラックや道路中央を塞いでいる横転車など手つかずのままなのですが、昨日は天気も良く気温も高かったことから、道路上の泥土は乾き、アスファルトが見えるようになったことは安心感を持たせます。反面、ホコリ、異臭、PCB汚染、細菌類等の問題は深刻化してくるのでしょうが・・・。

 

塩竈セントラル
 

塩竃市に入り、貞山運河沿いを行くと、先ず目に入ったのが漁船が道端に横たわっている光景でした。その後も漁船を中心とした多くの小型中型船が防潮堤を乗り越え、人家にまで迫り来ている景色があちらこちらで見られました。さて、パチンコ店の様子ですが、舟入にある『塩竃セントラル』は、思ったより外観に損傷はないように見えました。しかし、駐車場内は地震の影響から路面が波打ち、亀裂が入った状態。店内はどうなっているのか気になりましたが、施設周辺部がきれいに片づけられているので、多分内部も整理されているのではないでしょうか。従業員の方々の努力が窺い知れました。

 

タイガー塩釜店

次に行ったのが港に最も近いパチンコ『タイガー塩竃店』。一昨日、多賀城店でお会いした同社の方から聞いた「店内に魚がたくさん入りこんだ」お店です。ここも周囲の破損状態は劣悪ですが、きれいに掃除がされており、静かに次なる復旧作業を待つばかりと言ったところでした。

 

岡部昌樹さん

 

その時、お店の陰から長い大きな数珠を首にかけ手を合わせながら歩く年配の男性が見えました。気にしながらも取材をしていると、その男性から声をかけられたのです。男性は岡部昌樹さん。河北新報社のOBで73歳とのこと。「あなたよく来てくれました。塩竃は大きな被害を受けたにも係わらず、朝日も毎日、読売も、マスコミは全く入ってきません。どうか、あなたが塩竃の惨状を報道してほしい」と手を合わし頼まれてしまいました。岡部さんが身につけている数珠のことをお聞きすると、霊感が強いとのことで、「この辺りに多くの霊が彷徨っています。あなたの後ろにもたくさんの人が何かを訴えたがっています」といって、除霊なのでしょうか、拝んでくれました。

 

岡部さんは言います。「地震からどれくらい時間が経ったのか記憶にないが、南東の方角から津波は押し寄せました。多くのクルマが波にのまれ、家の屋根だけが浮かんでいる光景を家から見ました。今日はお彼岸でもあることから、多くの御霊を鎮めるためにこうして拝みながら歩いています」。別れ際に岡部さんは「大変だろうがアナタの使命だと思い、がんばって」と言い、メモ用紙と鉛筆そしてリポDまで下さいました。(余談ですが、岡部さんとお別れし、後ろ向きで風景の写真を撮り、振り返った何秒間の間に岡部さんの姿は無くなっていました。辺りは見晴らしのいい海岸通りなのに・・・合掌です)

 

POWER-SLOT鉄人塩釜店

POWER-SLOT鉄人塩釜店


  POWER-SLOT鉄人塩釜店

このあと、本塩竃駅前を通り北上。北浜地区に来ました。国道45号線の南側海岸から100メートル位入ったところに『パワースロット鉄人  塩竃店』があります。近づいてみると、建物は残存しているのですが、周辺部及び内部は見る影もありません。説明は省きます。写真をご覧ください。近くの女性に聞きました。「会社が山の手にあり、地震直後にクルマで家族が心配なので家に戻ろうとしたら、道路は大渋滞。何とかわき道を通り家に着いた時、津波だ!との声が聞こえ2階に避難しました。幸いなことに海側にビルがあったので、波の勢いが減少し、倒壊等の被害には及びませんでしたが、このお店は大変なことになってしまいました」。
 

つばめザ・ウィング

パラディソ塩竃店・ライトハウスパラディソ塩竃

パチンコカーニバル

更に北上し、新浜町の『つばめザ・ウイング』『パラディソ塩竃店』『ライトハウスパラディソ塩竃』、旭町のパチンコ『カーニバル』は津波による被害は少なかったのでしょうか。内部は分かりませんが、敷地内には泥土もなく、きれいに片付いていましたので。少々安心しました。

 


 

ところで、地震から10日目となり、被災地は世界各国からの救助隊や10万人の自衛官、警察・消防・ボイランティア隊によって信じられない速度でライフラインの復旧や人命救助、交通網の整備、その他諸々の復旧活動が行われ、日に日に生活も改善されようとしていますが、被災者の精神的なストレスは日を追うごとに高まってきているのは事実です。事実、以前に書きましたが、信号機の点灯もない中、無謀な運転をするドライバーもいなければ、買い出しの列を巡ってトラブルを起こす人もなく、粛々と秩序正しい行動が見られた東北の人々も、そろそろ精神的にイライラが募っているように見えます。街中を自転車で走っていると、クラクションを鳴らす自動車が多くなってきたり、空き巣やガソリン抜き取り、万引き等も増えてきているようです。かく言う私同様、平常心には程遠い神経過敏現象が出始めているのではないでしょうか。

 

仙台市内でも、水道の開通が3月31日まで無理という地区がまだまだありますし、見込みさえないところもあります。ガスに到っては、回復の目途もたっていません。ライフラインの回復速度に反比例してストレス速度も増しているのも事実です。なにか、ストレス解消の方策は無いのでしょうか。この時期に「即、パチンコ営業開始!!」なんて社会的にも人道的にも支持されないこと、業界にとって危険過ぎて言いません。しかし、営業再開に向けた努力は惜しんではいけないでしょう。1日も早い営業再開が社会支持の中で行われる『タイミング』が必要なのです。そのために、今、しなければならないことを業界挙げて考えるべきです。義援金云々ではありません。それは次なるステップでも、並行してでも協議できること。それより、悲しみの中に落ち込んで日々、自由にならないストレスの高ぶりに堪えている人々を、娯楽の提供者として救っていただきたいのです。例えば、遊技機のキャラクターとして登場している芸能人や東北地区出身の歌手等を現地に入れ、仙台駅前とか勾当台公園とかでコンサートをしたり、パンやお菓子を無料配布したり、電気の必要のない手打ち式還元型パチンコを提供したり・・・。
 

こちらでは、パチンコ店の営業が問題視されています。しかし、被災地だからと言って全店営業自粛はいかがなものでしょうか。ただし、開店できる状態だからと言って、パチンコ店の都合だけでの開店と言うのは少々乱暴な発想だと思います。開店には『タイミング』が必要です。『タイミング』を呼びこむためにも事前にやらなくてはいけないこともあると考えます。遊技業界は業界全体が経済的に疲弊している中、大打撃をこの震災でもたらし、続いて計画停電、原発事故、パチンコ店のフル営業がやりにくい時期に来てしまいましたが、一時の感傷、同情、悔みに浸っている場合ではありません。業界が21世紀に生き残るための戦いが始まったのです。発想を柔軟にして、将来を見据え、投資を恐れず、社会の支持が自然のうちに得られるような、派手でなくても結構です、地味でも真心が通じる誠意溢れる支援を急ぎ、実行することが被災地への大いなる支援だと思いますし、パチンコ営業がやりやすくなる方策ではないでしょうか。「現地から業界誌がなに正義感ぶっている」とお叱りは感受しますが、是非とも、業界指導者の方々の英知英断をお願いするとともに、ご期待申し上げる次第です。

 

業界誌『フェイム』ほくとう通信社 友道学

 

 

 

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2011.03.21 更新

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