東遊商&回胴遊商 全機連幹部を講師に合同勉強会開催

全商協所属の東日本遊技機商業協同組合(中村昌勇理事長)と回胴式遊技機商業協同組合(大饗裕記理事長)の関東・甲信越支部(高山大成支部長)は6月22日、ヒルトン東京お台場において、合同勉強会を開催した。新しい形のスマート遊技機、今後の遊技業界はどうなっていくのかをテーマに、組合員ならびに業界関係者(メーカー・ホール等)、そして一般のファンの参加もあり、会場は約600名余が集まった。

開催に際して、西村拓郎会長(日遊協)からは、第26回参議院選挙が22日公示された事を受け、有権者の一人として参加者に向け、政治に対する問題意識を再認識させた。喫煙者同様に「昔は嗜んでいた」という人はいても、新しく始めたという人はどんどん聞かれなくなったのと同様、パチンコ産業は窮地にあると訴えた。ワクワクドキドキするようにしなければならない、許可営業者である以上、より良い遊技環境を整備していかなければならない。パチンコ産業は裾野の広い雇用規模を有しており、その基盤を維持・進展させていかなければならない、と呼びかけた。

また、勉強会では、榎本善紀理事長(日工組)、兼次民喜理事長(日電協)が、スマート遊技機の取組みについて状況を説明した。
■スマートパチンコについて・榎本理事長(要旨)
これまでのパチンコは、様々な制約と規制によりどんどんと遊びの幅が狭まってきてしまった。そして新たに、のめり込み・依存対策にも配慮しなければならない。遊技機メーカーの団体として、新しい遊びを創造するため、スマートパチンコを世に送り出す準備をしてきた。これまでの遊技機よりも、2割増し位、ゲーム性(幅)が上がった。準備が整ってきた。スマートパチンコは2023年3月に予定されている。

■スマートパチスロについて・兼次理事長(要旨)
スマート遊技機は次世代遊技機として長年、構想・開発・実用化が取組まれてきたところであり、やっと日の目をみる時が近づいてきた。
①これまでの2400枚規制から差枚数管理への移行/2021年12月に差枚数管理への移行は画期的な出来事。今の6号機とは比較にならないゲーム性を出す可能性を有している。
②本年11月に出すスマートパチスロ(スマスロ)について/ゲーム数規制のない差枚数管理遊技機であり、適正な射幸性を守りながらも自由にゲーム性が表現できる仕様となっている。
③スマスロの隠れたメリット/メダルレスとなった事で、ボタン一つでゲームを始める事ができる(従来機に比べ1日の稼動が15〜20%アップ)。
④スマスロが普及(入替)していくための課題/スマスロは40万円強の本体、専用ユニット15万円前後の費用がかかるので、すぐにスマスロが市場に普及していくのには、計画的に時間をかけて普及していく事が想定される。当面の間は、6.5号機がその橋渡し役を努めるだろう。
⑤行き過ぎた射幸性とならないための機能(コンプリート機能)/コンプリート機能は、いわゆるリミッター。パチンコは9万5000個、パチスロは1万9000枚でリミッター(自主規制)が発動する。それ以上の遊技ができなくなる(過去に繰り返された規制強化を踏まえて、安定した営業ができるよう配慮した)。
⑥スマスロの可能性/メダルや補給、研磨設備を必要とせず、手が汚れない、感染症予防、ホールの騒音が無くなる、メダル運び不要、ジェットカウンター不要、電気代も安くなる等。
⑦ホールづくりに新たな可能性/従来、新規出店では、莫大な資金(20〜30億円規模)が必要とされてきた。スマート遊技機は、客入りの心配が要らない、広告宣伝が要らない、好立地の場所で80〜100台規模の小型店出店が可能。簡易な島設備、壁の増設だけで可能。おそらく1億円規模でコンビニ・パチンコ店が出せるようになる。30億円規模で伸るか反るかの出店をするのか、コンビニ・パチンコ店を30店舗出すのと、どちらがリスクを軽減しているでしょうか。スマート遊技機は、新たな店の形態を示していると思う。
⑧スマート遊技機のホールは、全ての遊技機のデータが一元的に管理されており、どういった遊技機がどう入れ替わったのかなど、デイリーで管理できる。そのシステムを利用すれば、機種入替等の申請業務の電子化を可能とできる環境を整えている。

第2部はPOKKA吉田氏、大崎一万発氏、ヒロシ・ヤング氏によるスマート遊技機に関するパネルディスカッションを行った。また、閉会に際しては、阿部恭久理事長(全日遊連)、大饗理事長(回胴遊商)が、今一度、今回の勉強会の開催意義を唱えて終了した。